(1)解説授業動画
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(2)解説授業の原稿
n乗を含む漸化式はn+1乗で割る
それでは次は、an+1=p・an+qnのようにn乗を含む項がある漸化式を解いてみます。
このタイプの漸化式のポイントは、両辺をqn+1で割ることです。実際にやってみましょう。
例えば、
a1=2、an+1=4an+6・2n
の漸化式があった場合、2nがあるので両辺を2n+1で割ります。すると、
an+1/2n+1=4an/2n+1+6・2n/2n+1
のようになります。
そしてここから式変形するのですが、ポイントは左辺をn+1、右辺をnとすることです。
2n+1で割っているので、左辺はn+1となっています。しかし、右辺はこのままではnとn+1が混ざっています。そこで、2n+1を2・2nとして2と4で約分をすると、右辺は2・an/2nとなります。また、6・2n/2n+1の項も約分すると、3となります。
このようにすることで、左辺はn+1、右辺はnの形にすることができたので、an/2n=bnと置くと、左辺はbn+1となり、右辺は2bn+3となります。そして、
bn+1=2bn+3
は先ほど解いた特性方程式を使って解くパターンの漸化式となったので、もうこの漸化式は解くことができます。
特性方程式を使って、α=2α+3とするとα=−3となり、式変形をすると
bn+1+3=2(bn+3)
となり、置き換えをしてcn=bn+3とすると
cn+1=2cn
となって、等比数列となります。そして、c1はb1+3なので、
cn=(a1/21+3)・2n−1=2n+1
となり、cnにbn+3を代入すると
bn=2n+1−3
となります。
よって、bn=an/2nなので、
an=(2n+1−3)・2n
となり、分配法則を使って展開すると
an=22n+1−3・2n
となります。
漸化式を解くための基本にして奥義の流れ
このパターンの漸化式も、先ほど確認した漸化式を解くための基本にして奥義の流れで解いています。
まずは左辺をn+1、右辺をnの形にして、置きかえて、解くことができる漸化式にしています。
ちなみに、an+1=4an+6・2nのようにn乗を含む項があるので、両辺を2n+1で割ったわけですが、この2nのn乗がn+1乗になっていたり、n−1乗になっていたとしても両辺を2n+1で割ります。なぜなら、左辺をn+1にすることが目的だからです。
また、慣れてきたら置きかえはせずにそのまま解いても構いません。
(3)解説授業の内容を復習しよう
(4)漸化式基本パターン解説一覧
①漸化式をマスターしよう(2)基本パターン①(特性方程式を利用して解く漸化式、漸化式の解法の基本にして奥義)
②漸化式をマスターしよう(2)基本パターン②(n乗の項を含む漸化式)
③漸化式をマスターしよう(2)基本パターン③(分母と分子にanを含む漸化式)
④漸化式をマスターしよう(2)基本パターン④(anan+1を含む漸化式)
⑤漸化式をマスターしよう(2)基本パターン⑤(anにルートや指数がついている漸化式)
⑥漸化式をマスターしよう(2)基本パターン⑥(和Snが与えられているパターン、なぜn≧2としなければいけないのか)
⑦漸化式をマスターしよう(2)基本パターン⑦(階差数列の公式を使うパターン)
⑧漸化式をマスターしよう(2)基本パターン⑧(最も重要なパターン、これが理解できたら漸化式の基本はマスターしたと言えます)
(5)漸化式をマスターしよう(数学B)の解説一覧
②漸化式をマスターしよう(1)基本中の基本(等差数列の漸化式、等比数列の漸化式、そもそも漸化式とは何か)
④漸化式をマスターしよう(3)応用パターン解説(隣接3項間漸化式、発想が難しい漸化式、一般項を予想して数学的帰納法で証明するパターン)
(6)参考
☆漸化式(数学B)をマスターしよう(漸化式全パターンの解説・授業・演習問題一覧)
☆数学の解説・授業・公式・演習問題一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)
「漸化式をマスターしよう」シリーズは、『細野真宏の数列と行列が面白いほどわかる本 Version2.0』(細野真宏著、(株)中経出版発行、現在は絶版)を参考にしています。
細野真宏先生が現在発行している出版物はこちら(小学館HP)→https://www.shogakukan.co.jp/author/5885
中経出版の参考書・問題集はこちら(学参ドットコム)→https://www.gakusan.com/