(1)解説授業動画
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(2)解説授業の原稿
anに√や指数がついている漸化式は両辺を対数でとる
それでは次は、anに√や指数がついているパターンの漸化式を解きます。
このようなパターンの漸化式は、両辺を対数でとります。ちなみに、√は1/2乗と表すこともできます。
それではこの
a1=√5、an+1=√an
の漸化式を解きます。√anのようにanに√がついている場合は、両辺を対数でとります。このとき底は何にしても問題ありません。底を2にしても5にしても10にしても、あるいはeにしても構いません。今回は10を底とする対数で両辺を取り、
log10an+1=log10√an
とします。ここから式変形をしていきます。
まず、√は先ほども確認した通り1/2乗のことなので、右辺はlog10an1/2となります。そして、対数の計算公式より、真数の累乗は対数の前に出すことができます。
そして、1/2log10anにすると、左辺がn+1、右辺がnの形となったので、log10an=bnと置きかえると、この漸化式は
bn+1=1/2bn
と簡単な漸化式になります。そして、この漸化式は等比数列を表しており、初項がb1つまりlog10a1で、公比が1/2の等比数列なので、
bn=(log10√5)・(1/2)n−1
のようになります。
ここからはanを求めるために式変形していきます。(1/2)n−1を対数の前に書き、√5はやはり51/2とすると、(1/2)n−1・log1051/2となり、そして今度は、対数の係数を対数の中に入れます。つまり、対数の係数は真数の累乗となるので、真数の部分の指数は1/2・(1/2)n−1となり、
bn=log1051/2・(1/2)^n−1=log105(1/2)^n
となります。そして、bn=log10anなので、
log10an= log105(1/2)^n
となり、両辺の真数をみると
an=5(1/2)^n
となります。このような対数の方程式を解くときのポイントは、両辺を底が同じ対数のなかに全て入れてしまうということです。
このパターンもやはり基本の流れとなっています。
(3)解説授業の内容を復習しよう
(4)漸化式基本パターン解説一覧
①漸化式をマスターしよう(2)基本パターン①(特性方程式を利用して解く漸化式、漸化式の解法の基本にして奥義)
②漸化式をマスターしよう(2)基本パターン②(n乗の項を含む漸化式)
③漸化式をマスターしよう(2)基本パターン③(分母と分子にanを含む漸化式)
④漸化式をマスターしよう(2)基本パターン④(anan+1を含む漸化式)
⑤漸化式をマスターしよう(2)基本パターン⑤(anにルートや指数がついている漸化式)
⑥漸化式をマスターしよう(2)基本パターン⑥(和Snが与えられているパターン、なぜn≧2としなければいけないのか)
⑦漸化式をマスターしよう(2)基本パターン⑦(階差数列の公式を使うパターン)
⑧漸化式をマスターしよう(2)基本パターン⑧(最も重要なパターン、これが理解できたら漸化式の基本はマスターしたと言えます)
(5)漸化式をマスターしよう(数学B)の解説一覧
②漸化式をマスターしよう(1)基本中の基本(等差数列の漸化式、等比数列の漸化式、そもそも漸化式とは何か)
④漸化式をマスターしよう(3)応用パターン解説(隣接3項間漸化式、発想が難しい漸化式、一般項を予想して数学的帰納法で証明するパターン)
(6)参考
☆漸化式(数学B)をマスターしよう(漸化式全パターンの解説・授業・演習問題一覧)
☆数学の解説・授業・公式・演習問題一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)
「漸化式をマスターしよう」シリーズは、『細野真宏の数列と行列が面白いほどわかる本 Version2.0』(細野真宏著、(株)中経出版発行、現在は絶版)を参考にしています。
細野真宏先生が現在発行している出版物はこちら(小学館HP)→https://www.shogakukan.co.jp/author/5885
中経出版の参考書・問題集はこちら(学参ドットコム)→https://www.gakusan.com/