酸化還元反応の化学反応式一覧(問題と答え)【化学反応式の王道】

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化学反応式一覧(理論化学・無機化学)


①硫酸酸性の硫酸酸性の過マンガン酸カリウムと硫酸鉄(Ⅱ)

2KMnO4 + 10FeSO4 + 8H2SO4 → 2MnSO4 + 5Fe2(SO4)3 + 8H2O + K2SO4

②チオ硫酸イオンとヨウ素のイオン反応式

S2O32-+I2→S4O62-+2I

③塩素とヨウ化カリウムの反応

Cl2+2KI → I2+2KCl
※塩素はヨウ素よりも酸化力が強いため、この反応が起きる。
※塩素はヨウ化カリウムデンプン紙を青変させる(塩素の検出方法)。塩素はヨウ化カリウムを酸化させ、発生したヨウ素がデンプンと反応し(ヨウ素デンプン反応)、青紫色に呈色する。

④ヨウ化カリウム水溶液にオゾンを通じる。

O3 + 2KI + H2O → I2 + + O2 + 2KOH
※オゾンはヨウ化カリウムデンプン紙を青変させる(オゾンの検出方法)。オゾンはヨウ化カリウムを酸化させ、発生したヨウ素がデンプンと反応し(ヨウ素デンプン反応)、青紫色に呈色する。

⑤水素化ナトリウムを水に加える。

NaH + H2O → NaOH + H2
※NaHの水素の酸化数は-1

⑥アンモニアと酸素の反応

4NH3 + 5O2 → 4NO + 6H2O (触媒:Pt)
※オストワルト法の一段階目の反応

⑦一酸化窒素と酸素の反応

2NO + O2 → 2NO2
※オストワルト法の二段階目の反応。
※一酸化窒素の検出にも用いられる。一酸化窒素(無色)は常温で速やかに二酸化窒素(赤褐色)に変化する。

⑧二酸化窒素を水に溶かす。

NO2 + H2O → 2HNO3 + NO
※オストワルト法の三段階目の反応。自己酸化還元反応。

⑨硫黄と酸素

S + O2 → SO2
※接触法の一段階目の反応。

⑩黄鉄鉱を燃焼させる。

4FeS2 + 11O2 → 2Fe2O3 + 8SO2
※接触法の一段階目の反応として、硫黄の燃焼ではなく、黄鉄鉱を燃焼させて二酸化硫黄を得ることもある。

⑪二酸化硫黄と酸素

2SO2 + O2 → 2SO3 (触媒:V2O5
※接触法の二段階目の反応。この後、三酸化硫黄を水に溶かして硫酸とする。

⑫窒素と水素を混合して、高温・高圧で反応させる。

N2 + 3H2 ⇄ 2NH3 (触媒:FeやFe3O4など)
※ハーバー・ボッシュ法と呼ばれている。

⑬フッ素と水素の反応

F2 + H2 → 2HF
※フッ素は冷暗所でも爆発的に水素と反応する。塩素は光を当てると爆発的に反応し、臭素やヨウ素は高温にすると反応する。

⑭フッ素を水に通じる。

2F2 + 2H2O → 4HF + O2
※水を酸化できるハロゲンの単体はフッ素だけである。

⑮二酸化硫黄と硫化水素の反応

SO2 + 2H2S → 3S + 2H2O
※二酸化硫黄は通常還元剤として働くが、硫化水素などが相手のときは酸化剤として働く。
※火山ガスの中には、二酸化硫黄と硫化水素が含まれているので、火口付近でこの反応が起きている。

⑯カルシウムを水に加える。

Ca + H2O → Ca(OH)2 + H2
※アルカリ金属やアルカリ土類金属は、イオン化傾向が大きいため、常温の水とも反応する。

⑰マグネシウムを熱水に加える。

Mg + 2H2O → Mg(OH)2 + H2
※マグネシウムは熱水であれば反応することができる。

⑱アルミニウムを高温の水蒸気に触れさせる。

2Al + 3H2O → Al2O3 + 3H2
※アルミニウム、亜鉛、鉄は高温の水蒸気と反応する。
※熱分解反応も伴うので、生成するのは水酸化アルミニウム(Al(OH)3)ではなく、酸化アルミニウム(Al2O3)になる(亜鉛と鉄も同様)。

⑲鉄を高温の水蒸気に触れさせる。

2Fe + 4H2O → Fe3O4 + 4H2
※アルミニウム、亜鉛、鉄は高温の水蒸気と反応する。
※熱分解反応も伴うので、生成するのは水酸化鉄ではなく、四酸化三鉄(酸化鉄ではないので注意)になる(亜鉛と鉄も同様)。

⑳亜鉛に希硫酸を注ぐ。

Zn + H2SO4 → ZnSO4 + H2

㉑亜鉛に希塩酸を注ぐ。

Zn + 2HCl → ZnCl2 + H2

㉒酸化マンガン(Ⅳ)に濃塩酸を加えて熱する。

MnO2 + 4HCl → MnCl2 + Cl2 + 2H2O
※塩素の製法

㉓さらし粉に塩酸を注ぐ。

CaCl(ClO)・H2O + 2HCl → CaCl2 + Cl2 + 2H2O
※塩素の製法

㉔銅と熱濃硫酸

Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + SO2 + 2H2O

㉕銀と熱濃硫酸

2Ag + 2H2SO4 → Ag2SO4 + SO2 + 2H2O

㉖銅と希硝酸

3Cu + 8HNO3 → Cu(NO3)2 + 2NO + 4H2O

㉗銀と希硝酸

3Ag + 4HNO3 → 3AgNO3 + NO + 2H2O

㉘銅と濃硝酸

Cu + 4HNO3 → Cu(NO3)2 + 2NO2 + 2H2O

㉙銀と濃硝酸

Ag + 2HNO3 → AgNO3 + NO2 + H2O

㉚酸化鉄(Ⅲ)の粉末とアルミニウムの粉末を混合して点火する。

Fe2O3 + 2Al → 2Fe + Al2O3
※テルミット反応とよばれている。発熱量が非常に大きく、生成物の鉄は融解状態で生じるため、溶接に用いられる。

㉛酸化鉄(Ⅲ)を一酸化炭素と加熱する。

Fe2O3 + 3CO → 2Fe + 3CO2
※鉄の製錬の反応である。実際はFe2O3→Fe3O4→FeO→Feと徐々に還元されていく。

㉜硫化銅(Ⅰ)と酸素を混合して加熱する。

Cu2S + O2 → 2Cu + SO2
※黄銅鉱(CuFeS2)から分離した硫化銅(Ⅰ)を用いて、粗銅を製造するときの反応である。

㉝リン酸カルシウムと二酸化ケイ素とコークスを混合して加熱する。

Ca(PO4)2 + 3SiO2 + 5C → 3CaSiO3 + 5CO + 2P
※リンの製法
※生成物が二酸化炭素ではなく、一酸化炭素であることに注意。

㉞二酸化ケイ素とコークスを混合して加熱する。

SiO2 + 2C → Si + 2CO
※ケイ素の製法である。
※生成物が二酸化炭素ではなく、一酸化炭素であることに注意。

㉟リンの燃焼

4P + 5O2 → P4O10
※黄リン(P4)は空気中で自然発火するので、水中で保存する。


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