複利計算の解説(そもそも複利とは何か、積み立て預金の計算について解説しています)

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(2)解説授業の原稿

複利とは何か

そもそも複利とは元利合計(元金+利子)に、利子が付くことを言います。

ポイントは元金だけではなく、元金に利子が乗った状態のものにさらに利子がつくということです。よく借金が雪だるま式に増えていくと言われるのは、この複利によるものです。

例で複利を確認しよう

実際に例で確認してみましょう。

(例)

年利15%で100万円を借金した。5年後に全額返済した場合いくら返せばよいか。(1.15)5=2.011とする。

(答え)

1000000×1.15×1.15×1.15×1.15×1.15
=1000000×(1.15)5
=2011000円

例えば、年利15%で100万円を借金したとします。5年後に全額返済した場合いくら返せばよいでしょうか。

もちろんお金を貸した方も商売なので、100万円で返せばいいというわけにはいきません。また、100万円の15%つまり15万円を5年分で75万円、元金と合わせて175万円を返せばよいかというと、そういうわけにも行きません。

それではいくら返せばよいかと言うと、100万円の借金が1年経ったら15%増し、つまり×1.15で、2年目はこの元利合計に更に1.15倍をし、3年目も2年目までの元利合計に更に1.15倍し、4年目も同様にそれまでの元利合計に1.15倍し、5年目も同様です。

したがって、100万×(1.15)5なので、答えは2,011,000円となります。

このように、それまでの元利合計にさらに利子を付けていくのが複利です。

年利15%で借りた場合は5年そのままにしておけば借金が倍以上になります。ちなみに15%~18%ぐらいがいわゆる消費者金融やリボ払いと呼ばれるものの利率になっています。

積立の問題の解法

それでは次は積立について考えてみます。

(例2)

年利5%、1年ごとの複利で、毎年度初めに12万円ずつ積み立てると、10年度末には元利合計はいくらになるか。(1.05)10=1.63とする。

(答え)

120000×(1.05)10+120000×(1.05)9+120000×(1.05)10+……+120000×(1.05)1
=[120000×(1.05){(1.05)10-1}]/(1.05-1)
=(120000×1.05×0.63)/0.05
=120000×21×0.63
=1587600円

積立とは定期的に決まった額のお金を銀行などに預けることをいいます。

今回で言えば毎年12万ずつお金を預け、それを10年間続けるとどうなるかということです。12万円ずつ入れて10年間なので、払ったお金は120万円です。では10年後に帰ってくるお金も120万円かというともちろんそうはなりません。なぜなら複利があるからです。

それではこの問題を解いてみましょう。

1年目に預けた12万円は10回複利で利息が付くので12万×(1.05)10となります。2年目に預けた12万円は9回複利で利息が付くので12万×(1.05)9となります。このように繰り返していき、10年目の最初に預けたお金は1回利息がつき、12万×(1.05)1となります。これらをすべて足したものが、10年度末に受け取るお金となります。

120000×(1.05)10+120000×(1.05)9+120000×(1.05)10+……+120000×(1.05)1

この式は逆から見ると、初項が12万×1.05、公比が1.05、項数が10の等比数列の和になっています。そのため、等比数列の和の公式を使って計算して、答えは1,587,600円となります。

12万×10=120万よりも387,600円増えたことになります。このようにお金というものは時間がたつにつれて価値を増していきます。それは複利があるからです。

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