鉛直面内の円運動

(1)例題

図のように、鉛直な壁面、半径Rの円筒面、水平な天井面がなめらかにつながっている。質量mの小物体を点Oから速さv0で鉛直上方に打ち出したところ、小物体は距離hだけ壁面に沿って運動した後、円筒面に沿って運動し、点Aを通過した。ただし、すべての面はなめらかであるものとする。また、重力加速度の大きさをgとする。

①小物体が点Aを通過するときの速さvAを表せ。

②小物体が点Aを通過するための、vAの最小値を表せ。

(2016年センター試験本試物理第4問A)

(2)答案

(3)解法のポイント

①離れた2点間の運動を考えるときは、力学的エネルギー保存則を使います。

②「床や壁から離れる」という条件は、「垂直抗力が0になる」と読み替えましょう。

また、円運動を考えるときの基本として
ⅰ)円運動の外から見て、運動方程式を立てる
ⅱ)物体と一緒に円運動をし、遠心力(慣性力)を導入して、つりあいの式を立てる
の2つの方針があります。今回は方針ⅰでやりましたが、ⅱでもできます。

(4)必要な知識

①力学的エネルギー保存の法則

②向心力

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③遠心力

→遠心力は慣性力(見かけの力)である。つまり、円運動している物体と一緒に回転しているときに向心力とは反対向きに引っ張られているように感じる力のことである。

④円運動の問題の取り組み方

ⅰ)観測者は円運動せずに、「ma=向心力」の運動方程式を考える。

ⅱ)観測者を一緒に円運動させることによって遠心力(慣性力)を導入して、つり合いの式を立てる(一緒に円運動している観測者にとっては物体は静止しているように見える)

(5)理解すべきこと

①等速円運動の問題の2つの解法について理解しましょう→等速円運動の2つの解法(向心力と遠心力についても解説しています)

☆動画はこちら↓

②等速円運動の速度と加速度の導出をしてみましょう→等速円運動の速度と加速度をベクトルと微分を使って導く(合成関数の微分を使っています)

☆動画はこちら↓

(6)参考

☆円運動の勉強法はこちら→円運動

円運動(力学)公式

☆力学の勉強法はこちら→力学の勉強法

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