「玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・なし

②助動詞と助詞の文法的説明

・「よ」は呼びかけの間投助詞

・「な」は完了の助動詞の未然形

・「ば」は順接仮定条件の接続助詞(もし~ならば)

・「ね」は強意の助動詞の命令形

・「もぞ」:「も」「ぞ」ともに係助詞。「もぞ」の形で「~すると困る」の意味になる

③句切れ

・初・二句切れ

→「よ」は呼びかけ、「ね」は命令形

④現代語訳

わたしの命よ、絶えてしまうなら早く絶えてしまえ。このまま生きながらえていると、(恋を)耐え忍んでいるわたしの心も弱くなってしまい、 秘めている思いが人に知られてしまうことになると困るから。

⑤その他解説

・「玉の緒」:魂を肉体に結び付けておく緒のこと。本来は玉を通す紐のことを表す。「緒」は「絶え」「ながらへ」「弱り」の縁語

・「しのぶ」は「我慢する」という意味と「人目を避ける」の2つの意味が込められている。