「春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・「白妙の」は「衣」を導く枕詞。

②助動詞と助詞の文法的説明

・「て」は接続助詞

・「に」は完了の助動詞の連用形

・「けらし」は「けるらし」のこと。「ける」は過去の助動詞の連体形で、「らし」は推定の助動詞の終止形

③句切れ

・二句切れ

→「らし」が終止形

④現代語訳

もう春は過ぎ去り、いつの間にか夏が来てしまったらしい。昔から夏に白い着物を干すと言われている天の香具山に、あんなにたくさんのまっ白な着物が干されているのだから。

⑤その他の解説

・「てふ」は「といふ」を縮めた形。

・「天の香具山」は奈良県にある山。岩戸伝説など様々な言い伝えがある。