「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・なし

②助動詞と助詞の文法的説明

・「を」は間投助詞(訳さない)

・「は」は係助詞

・「つつ」は反復や継続を表す接続助詞

③句切れ

・句切れなし

④現代語訳

秋の田の側に設けられた仮小屋に泊まってみると、屋根をふいた苫(とま)の目があらいので、その隙間から忍びこむ冷たい夜露によって、私の着物の袖が濡れていっている。

⑤その他解説

・「かりほの庵」:「かりほ」は仮に設けられた小屋のことで、「かりほのいほ」と言葉を重ねて語調を整えている。

・「苫」は菅(スゲ)や茅(カヤ)などを編んでつくるむしろのこと。屋根などに用いる。

・「あらみ」は形容詞「あらし」の語幹に原因や理由を表す接尾語の「み」がついたもの。「~なので」と訳す和歌特有の表現。

・「衣手」は衣の袖のこと。