「み吉野の 山の秋風 小夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・なし

②助動詞と助詞の文法的説明

・「て」は接続助詞

・「なり」は推定の助動詞の終止形

③句切れ

・句切れなし

④現代語訳

吉野の山の秋風が吹き渡り、夜もしだいに更けてきて、旧都吉野があったこの里は冷え込み、衣をうつ砧(きぬた)の音が寒々と聞こえてくる。

⑤その他解説

・「み吉野」:「吉野」は奈良県吉野郡。「」は美しさをたたえる接頭語。

・「小夜」:「小(さ)」は語調を整える接頭語

・「衣うつ」:着物の布をやわらかくするために木づちで叩くことで、晩秋に行われる女性の仕事であった。この木づちを砧(きぬた)と呼ぶ。