「世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ あまの小舟の 綱手かなしも」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・なし

②助動詞と助詞の文法的説明

・「は」は係助詞

・「もがも」は願望の終助詞

・「な」は詠嘆の終助詞

・「も」は詠嘆の終助詞

③句切れ

・二句切れ

→「もがも」と「な」は終助詞

④現代語訳

この世の中はいつまでも変わらないでいてほしいものだなあ。渚にそって漕いでいる、漁師の小船をひき綱で引いている様子は、趣深く心ひかれることだなあ。

⑤その他解説

・「渚」:波打ち際

・「海士(あま)」は漁師のこと

・「綱手」:船具の一種で、舟を陸から海へ引っ張っていくための綱。

・形容詞「かなし」は身近なものに対して心を揺り動かされたり、感情が沸き上がっていくさまをいう。