「おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に 墨染の袖」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・「すみぞめ」は「墨染め」(僧衣のこと)と「住み初め」を掛けている。

②助動詞と助詞の文法的説明

・「かな」は詠嘆の終助詞

③句切れ

・三句切れ

→「かな」は終助詞

④現代語訳

身のほど知らずと言われるかもしれないが、(この悲しみに満ちた) 俗世の人々の上に、覆いかぶせることであるよ。出家して比叡山に住み始めた私の墨染めの袖を(人々の救済を願って)

⑤その他解説

・「袖で覆う」とは、仏の力で人々の救済を祈願する意味がある。

・「おほふ」はそ「袖」の縁語

・「杣(そま)」は材木を切り出す山のことで、今回は比叡山を表す。