「かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしもしらじな 燃ゆる思ひを」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・「いふき」は「言ふ」と「伊吹」の掛詞

・「伊吹のさしも草」は「さしも」を導く序詞

・「おもひ」は「思ひ」と「火」の掛詞

②助動詞と助詞の文法的説明

・「だに」は類推の副助詞(さえ)

・「やは」:「や」「は」ともに係助詞で、「やは」と合わせると反語になる。

・「しも」は強意の副助詞(訳さない)

・「じ」は打消推量の助動詞の終止形

・「な」は詠嘆の終助詞

③句切れ

・四句切れ

→「な」は終助詞

④現代語訳

これほどあなたを思っているということさえ打ち明けることができずにいるので、伊吹山のさしも草が燃える火ように、私の思いも激しく燃えているけど、あなたはそうとは知らないのでしょうね。

⑤その他解説

・「さしも草」:ヨモギのこと。「火」「燃ゆ」は「さしも草」の縁語