「名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・「あふ」が「逢う」と「逢坂山」の掛詞

・「さね」が「さ寝」と「さねかずら」の掛詞

※「さ」は接頭語

・「くる」が「繰る」と「来る」の掛詞

※今回の「来る」は「行く」の意味

②助動詞と助詞の文法的説明

・「し」は強意の副助詞(訳さない)

・「ば」は順接仮定条件の接続助詞。「もし~ならば」と訳す。

・「れ」は受身の助動詞の未然形

・「で」は打消しの接続助詞

・「もがな」は終助詞

③句切れ

・句切れなし

④現代語訳

「逢って寝る」という名を持つ逢坂山のさねかずらがならば、そのつるを手繰り寄せるように、あなたのもとにいく方法があればいいのだがなあ。

⑤その他解説

・「逢坂山」:京都府と滋賀県の間にある山

・「さねかずら」:モクレン科のつる植物

・「繰る」は「さねかずら」の縁語