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(1)二次試験の過去問(赤本)の活用の仕方
自分が志望する大学の過去問をどのように勉強するかは非常に重要な要素です。今回の解説で、過去問から最大限得られるものを得るようになりましょう。
まず過去問を学習する目的から確認します。
①出題形式や傾向を知ること
これは過去問を研究する最初の目的となります。
自分が志望する大学でどのような問題が出題されるかを知っておかないとそもそも対策のしようがありません。
②難易度を知ること
過去問を解く前は、多くの人が「きっと二次試験の問題はめちゃくちゃ難しいのだろう」といった漠然としたイメージから恐怖や不安を抱いています。しかし、過去問を解くことで、意外と解ける問題があることを知ったり、あるいは逆に、思ったよりも解けないということを知ったりします。
このように、漠然としたイメージではなく、具体的な難易度を知ることで対策を立てることができるようになります。
③求められている能力を知ること
大学が求めている能力を知ることも重要です。
二次試験の問題は学校の定期試験とは違い、ただ知識を問うたり教科書や問題集に書いてある問題がそのまま出題されたりしないことも多いです。
各大学が求めている学生像や能力を測るために、工夫してニ次試験の問題が作られています。そのため過去問を研究することで、各大学が求めている能力を知ることができ、もしその能力が足りないのであれば、その能力を得るための努力をしなければならないということがわかるのです。
以上①~③の3つの目的は、「自分が今後何をするべきかを知る」という目的と言えます。
④時間配分や問題を解く順番を決める
そして最後に、過去問を勉強する目的として時間配分や問題を解く順番を決めるというものがあります。これはかなり重要なのですが、あまり意識しない人も多いので注意が必要です。
実際に解いてみればわかるのですが、これらを決めずに解くとまず時間は足りなくなります。
そのため時間内に解き終わるように必ず時間配分と解く順番を決めましょう。必ずしも1番から順番に解く必要はありません。早く解けるものを先に解き、時間がかかるものは後回しにするのが試験の鉄則です。早く解けるものを何分以内で解き、時間がかかるもののために何分残しておこうといった戦略を本番までに決めておかないといけません。そのための実験と準備に過去問や模試を使いましょう。
おそらく最初は自分が設定した時間配分ではうまくいかないと思います。しかし、時間配分を決めて過去問や模試を解いてみることを繰り返すことで、自分にとってのベストな時間配分と解く順番が見つかると思います。それを見つけるまで繰り返し練習してください。
☆時間配分と解く順番の決め方についてはこちら→時間配分と問題を解く順番を決めることが、試験突破の第一歩!
(2)時期と回数
それでは過去問に取り組む目的が確認できたところで次はいつ取り組むかとどれぐらい取り組むかについて解説します。
☆時期についてはこちらも参考にしてください→長期的な学習計画を確認しよう(受験勉強を5つの期間に分けよう)
①夏休み中(G.W.中)にまず1回目
まずは3年生の夏休み中か、できる人はゴールデンウィーク中など時間が取れるときに、1回時間を計って過去問を解いてみましょう。
おそらくほとんどの人が初めて過去問を解いたときは全然解けなかったり時間が全く足りなかったりします。しかし、それでもいいので一年分は解いてみましょう。そうすることで、志望校合格のために自分が何をすべきか、あるいは自分には何が足りないのかが明確になります。
ただし、夏休み中に1回目の過去問を解くためには、それまでに基礎事項の総復習が、全部とは言わないまでもある程度終えておかないといけません。夏休みの中盤から後半に過去問を解くとして、夏休みの前半までに二次試験で使う教科の基礎事項の総復習が終わるように計画を立てて学習をしてください。
②大学別模試対策(3年分2~3周)
また過去問の使いどころとして、大学別の模試の対策として使いましょう。
大学別の模試とは大手の予備校が10月から11月の秋、あるいは夏と秋の2回に行っている大学別の二次試験を模した試験のことです。いわゆる『実戦模試』や『オープン模試』と呼ばれているものです。おそらく模試の中で一番重要な模試と言えますが、意外と重視していない人も多いです。
僕はこの大学別の模試でどれだけ成果が出せるか、あるいはどれだけ成果が出せるように対策をしているかが志望校合格に大きくかかわってくると考えています。それゆえ必ず対策をしてから大学別の模試を受けるようにしてください。
大学別の模試の対策として、理想は過去問を3年分2~3周くらいできるとよいです。自分なりの時間配分や解く順番が一応決まっている状態で、大学別の模試で試してみて課題を見つけるようにしましょう。
ちなみに多くの大学は秋の1回なので夏休み中に1回目の過去問が解けるといいのですが、東大や京大などは夏と秋の2回実施されるので、夏の模試間に合わせようと思えばゴールデンウィーク中に1回目の過去問を解くのが望ましいです。
そして、秋の大学別の模試が終われば、恐らくほとんどの生徒は共通テスト対策に専念することになるので、次に過去問を解くとすれば共通テスト後ということになります。
☆大学別模試の詳しい説明はこちら→模試を最大限活用するために(ただ模試を受けるだけに意味はありません。記述模試・マーク模試・大学別模試の活用の仕方)
③共通テスト後(10年分3周)
もう共通テストが終わればあとは二次試験だけなので、可能な限り過去問の周回をしましょう。最終的な目標は、それまでに解いた分も合わせて10年分を3周できれば過去問の研究としては十分だと思います。
☆時期についてはこちらも参考にしてください→長期的な学習計画を確認しよう(受験勉強を5つの期間に分けよう)
(3)勉強の流れ
それでは最後に過去問の勉強の流れを解説します。過去問に取り組むときはこの4段階で取り組むようにしてください。
①時間を計りながら答案を作る
時間配分の確認も過去問研究の主な目的の一つなので、必ず時間を計りながら解くようにしてください。
②時間を気にせず続き+答案修正
そして時間がきたらすぐに解答解説を見るのではなく、時間を気にせず解けなかった問題を解いたり、あるいは時間を計りながら作った答案を修正したりしましょう。
③参考書、問題集、単語帳で調べながら答案作成
そして、時間を気にせず自分の力で答案をつくったら、解答解説をまだ見ずに、次は参考書や問題集や単語帳などで調べながら、ここまでで作った答案をさらに修正してみてください。
過去問などに取り組む場合に単語を調べるときは、辞書ではなく単語帳で調べるようにしたほうが効率がいいです。単語帳で覚えきれてない単語の確認ができるのはもちろんのこと、「単語帳に載ってない単語や知らない単語が入試本番で出てきたときにどう対応するか」といった能力を養うこともできます。
④解説をよく読んでみる
①~③までで自分の現在の力で取り組めるところまで取り組み、かつ今後できるようになるであろうことを使って最大限取り組んだことになります。ここまできたら、解説をよく読みましょう。
この流れで解くメリットはそれぞれの段階で自分に何が足りないのかを明確にできることです。
つまり、①の段階でできずに②の段階でできたということは、時間配分や解くスピードに問題があったということになります。
また、②の段階でできずに③の段階でできたということは、知識不足やパターン演習不足ということになります。
そして、③の段階でもできなかったということは、考え方が間違っていたということなので思考力不足ということになります。
もちろんこのようにきっちり取り組むと、非常に時間がかかります。しかし、貴重な過去問を使って勉強するので、最大限の効果が得られるようにむしろなるべくじっくり時間を使って取り組むようにしましょう。
☆先生などに答案の添削を依頼するときには注意すべきことがあります→添削を依頼するときの注意点
~参考~
☆【大学受験で成功するための100か条】大学受験で成功するためにやらなければいけないことを100個にまとめました!
☆解説動画・授業動画一覧(英語・数学・国語・理科・社会・小論文・勉強法)
コンテンツ別勉強法
⑤宿題
・時間配分と問題を解く順番を決めることが、試験突破の第一歩!
大学受験で成功するためにやるべきこと一覧
(3)学習計画の王道
(5)勉強法の王道
(6)思考力