係助詞「ぞ・なむ・や・か・こそ・は・も」文法事項テスト(問題と答え)【古文文法のすべて】

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☆解説授業はこちら→係助詞「ぞ・なむ・や・か・こそ・は・も」の用法と係助詞を使った表現(係り結びの法則、結びの省略、結びの消去(消滅、流れ)についても解説しています)


①結びが連体形になる係助詞すべて答えよ。

→ぞ・なむ・や・か

②結びが已然形になる係助詞を答えよ。

→こそ

③結びに変化がない係助詞を2つ答えよ。

→は・も

④「や」「か」の意味を答えよ。

→疑問(~か)・反語(~か、いや、~ない)

⑤「こそ」「は」「も」の現代語訳の仕方は?

→そのまま訳してみて、おかしくなければそのまま訳す。不自然なら訳さない。

⑥「月見れば千々にものこそ(悲し)」の(悲し)を適切な形に改めよ。

→悲しけれ
※「こそ」は已然形結び

⑦「雪なむ(あはれなり)」の(あはれなり)を適切な形に改めよ。

→あはれなる
※「なむ」は連体形結び

⑧「今やは(別る)」の(別る)を適切な形に改めよ。

→別るる
※「や」は連体形結び

⑨「なむ」が終助詞の場合、どのような意味になるか?

→他者への願望

⑩「なむ」が助動詞の場合の文法的説明をせよ。

→強意の助動詞「ぬ」の未然形+推量(スイカカエテ)の助動詞「む」の終止形または連体形

⑪「やは」「かは」はどのような意味か?

→反語

⑫「ぞかし」の意味を答えよ。

→念押し(~であるよ)
※「ぞ」は係助詞とする説と、終助詞とする説がある。「かし」は念押しの終助詞。

⑬「もぞ」「もこそ」の意味を答えよ。

→~したら困る、~したら大変だ

⑭「こそ~已然形」が文中にあればどのような意味になるか?

→逆接(~だけれども)

⑮文中にある「……ばこそ~め、」はどのような意味になるか?

→……ならば~だろうけど、 / ……ならば~したらよいだろうけど、
※「ば」は順接仮定条件(もし~ならば)、「め」は推量の助動詞「む」の已然形(推量(~だろう)や適当(~するのがよい)の意味)

⑯「いかで」「いかに」「など」の文末は?

→連体形
※これらの疑問副詞を使った場合も、文末が変化する。

⑰「悲しきことも多くなむ」の「なむ」は係助詞だが、「なむ」の下に何が省略されていると考えられるか。

→「ある」「はべる」「候ふる」「おはする」「おはしまする」など
※このように係り結びの結び(文末)の部分が省略されることを「結びの省略」という。
※「あり」やその敬語の「侍り」「候ふ」「おはす」など、あるいは、文脈上省略されていることが分かるもの(前に出てきた動詞など)が省略される。
※現代語訳:悲しいことも多くある。

⑱文末の「にや」はどのように訳すか?

→~であろうか(疑問) / ~であろうか、いや~ではない(反語)

⑲文末の「にや」の「に」を文法的に説明せよ。

→断定の助動詞「なり」の連用形
※「にやあらむ」の「あらむ」が省略されている。このことを「結びの省略」という。

⑳「ひが耳にや」を現代語訳せよ。

→聞き間違いであろうか。 / 聞き間違いであろうか、いや、聞き間違いではない。
※「にやあらむ」の「あらむ」が省略されている。このことを「結びの省略」という。
※係助詞「や」には、疑問と反語の2つの意味がある。どちらの意味かは文脈次第。

㉑「花ぞ散りければよめる歌」の「けれ」は已然形であるが、「ぞ」があるのになぜ連体形となっていないのか説明せよ。

→「ぞ」の結びの語である「けり」が言い切りにならず、接続助詞に接続して、下の文に続いているために、結びの語の資格を失ったから。(係り結びの法則よりも、接続助詞の接続による活用を優先させるから。)
※このことを「結びの語の消去(消滅、流れ)」という。
※ちなみに、接続助詞「ば」は、順接確定条件のときは已然形接続で、順接仮定条件のときは未然形接続。今回は前者。

㉒「我やは花にふれたる。」を現代語訳せよ。

→私は花に触れているだろうか、いや、触れてはいない。
※「やは」「かは」は反語の意味になる(疑問の意味にはならない)。
※「たる」は完了・存続の助動詞「たり」の連体形(「や」は連体形結び)。

㉓「げにさることぞかし。」を現代語訳せよ。

→本当にもっともなことであるよ。
※「ぞかし」は感動をもった念押し(~であるよ)を表す。
※「げに」は「本当に」「まったく」、「さること」は「そのようなこと」「もっともなこと」という意味。

㉔「袖の濡れもこそすれ」を現代語訳せよ。

→(涙で)袖が濡れたりしたら困る。
※「もぞ」「もこそ」は「~したら困る」「~したら大変だ」という表現。
※「すれ」はサ変動詞「す」の已然形(「こそ」は已然形結び)。

㉕「おのが身は、この国に生まれて侍らばこそ(帝はわたしを)使ひ給はめ、(帝はわたしを)率ておはしまし難くや侍らむ。」を現代語訳せよ。

→もし私の体がこの国に生まれましたならば、帝は私をお使いなさるのがよいけど、(そうではないので)帝は私を連れていきなさりがたいことでしょうか。
※「~こそ……已然形」が文中にある(後ろに文が続く)場合、逆接の意味になる。
※「~ばこそ……め、」は「もし~ならば、……するだろう(推量)けど」「もし~ならば、……するのがよい(適当)けど」といったような意味になる表現として覚えておこう。


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~参考~

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