推量の助動詞「む・むず・じ・らむ・けむ・べし・まじ」の現代語訳練習テスト(問題と答え)【古文文法のすべて】

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解説授業はこちら→推量の助動詞「む・むず・じ・らむ・けむ・べし・まじ」の活用・接続・意味(訳し分けのポイント、婉曲の意味についても解説しています)


①「我、歌詠まむ」を現代語訳せよ。

→私が歌を詠もう
※主語が一人称(わたし)なので、意志(~しよう)の意味になりやすい。

②「汝、帰り給はむ」を現代語訳せよ。

→あなたはお帰りなさるのがよいでしょう。
※主語が二人称(あなた)なので、勧誘(~するのがよい)の意味になりやすい。
※「給ふ」は尊敬語。

③「花咲かむ」を現代語訳せよ。

→花が咲くだろう。
※主語が三人称なので、推量(~だろう)の意味になりやすい。

④「花の咲かむときに、来よ」を現代語訳せよ。

→花が咲くようなときに、来てください。
※「む」の後ろに「とき」(体言)が来ているので、婉曲(~のような)の意味になる。

⑤「花なむ咲かじ」を現代語訳せよ。

→花は咲かないだろう
※主語が三人称なので、打消推量(~ないだろう)の意味になりやすい。

⑥「我読まじ」を現代語訳せよ。

→私は読むつもりはない
※主語が一人称(わたし)なので、打消意志(~まい、~するつもりはない)の意味になりやすい。

⑦「音にも聞きつらむ」を現代語訳せよ。

→きっと噂に聞いているだろう
※「らむ」は現在推量(~しているだろう)
※完了・強意の「つ」は「つらむ」のように推量の助動詞を伴ったときは、強意(きっと~)の意味になる。
※「音に聞く」は「噂に聞く」という意味の重要表現。

⑧「花の咲くらむ所へ行かむ」を現代語訳せよ。

→桜が咲いているようなところへ行こう
※「らむ」は「こと」(体言)に接続しているので、現在の婉曲(~ているような)の意味になる。

⑨「かぐや姫を見つけたりけむ竹取の翁」を現代語訳せよ。

→かぐや姫を見つけたという竹取の翁
※過去の伝聞(~たという)で訳すと自然な訳になる。

⑩「船に乗るべきところにて、漢詩作りなどしけり。」を現代語訳せよ。

→船に乗る予定のところで、漢詩作りなどをした。
※今回の「べし」は予定(~する予定だ)で訳すのが一番自然である。予定の他には当然(~するはずだ)で訳してもよい。
※「にて」は格助詞で、「~で」と訳す。

⑪「火をつけて燃やすべきよし仰せ給ふ。」を現代語訳せよ。(※「仰す」は「命令する」という意味)

→火をつけて燃やしなさいということを命令しなさる。
※今回の「べし」は命令(~しなさい)で訳すのがよい。
※「よし」は「由」という漢字を当てて、「理由・由緒・趣旨・趣・こと・内容」といった意味になる。今回は「趣旨」や「こと」の意味。

⑫「つひに亡びぬべし」を現代語訳せよ。(※「つひに」は「最後には」と訳す。)

→最後にはきっと滅ぶのだろう
※この「べし」は推量(~だろう)または当然(~するはずだ)で訳す。
※完了・強意の「ぬ」は「ぬべし」のように推量の助動詞を伴ったときは、強意(きっと~)の意味になる。

⑬「冬枯れのけしきこそ、秋にはをさをさ劣るまじけれ。」を現代語訳せよ。(※「をさをさ~打消」は「ほとんど~ない」と訳す。)

→冬枯れの景色(冬になって草木が枯れた景色)は、秋の景色にほとんど劣らないだろう。
※この「まじ」は打消推量(~ないだろう)または打消当然(~はずがない)のどちらかで訳す。

⑭「妻といふものこそ、男の持つまじきものなれ。」を現代語訳せよ。

→妻というものは、男が持たないほうがよいものである。
※この「まじ」は不適当(~しはいほうがよい)で訳す。
※「なれ」は断定(~である)の助動詞「なり」の已然形。


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