①使・令・教・遣:「~ヲシテ……シム」と訓読する。
→すべて第5文型を作る使役の動詞である。しかし、古文には、使役の動詞がないので、使役の助動詞「しむ」で表現することになる。
②命(~に命じて……しむ)、召(~を召して……しむ)、説(~に説きて……しむ)、勧(~に勧めて……しむ)、遣(~を遣はして……しむ)、挙(~を挙げて……しむ)
→①同様、全て第5文型を作る動詞である。①に比べて使われる場面が限定されるので「動詞の訳+……しむ」となる。
③文脈で使役と判断するパターン
→主語と目的語の関係で上下関係が明らかな場合は、使役の動詞を省略する。訓読するときは「(~をして)……しむ」を補う。
【例】
父大喜遂以女帰之(父大いに喜びて、遂に女(むすめ)をもって之に帰(とつ)がしむ)
→父と娘(女)の上下関係は明らかであり、この時代は娘の結婚は親同士が決めていたという古典常識から考えても、「嫁ぐ(帰ぐ)」ではなく、「嫁がせる」となるのは当然である。