受身形を文法的に考える(漢文文法)

①被・見:受身を表す助動詞。「る・らる」と訓読する。

②S為S’所V’:「Sは、S’がV’するところとなる」と訓読する。

→「所」は関係詞として働いている。つまり「S’所V’」を名詞節としている。

→「S’がV’する対象となるのはSである」が直訳で、Sが被害者、S’が加害者となる。

→よって「Sは、S’によってV’される」と訳す。

※関係詞についてはこちら→漢文文法における関係詞

③文脈から受身と判断するパターン

→文脈から被害者と加害者の関係が明らかなので、受身の助動詞が省略されているだけである。

→訓読するときは「る・らる」を送り仮名に補う。

【例】

我宝奪盗人

→もしこのような文があれば、「私の宝が盗人を奪った」と考える人はいないであろう。「私の宝は盗人によって奪われた」と訳すはずである。

労力者治於人(力を労する者は人に治めらる)

→被害者と加害者の関係が分かりにくいときは、加害者を示す前置詞「於・于・乎」がついている場合がある。