限定形を文法的に考える(漢文文法)

①耳=而=爾=已:全て「のみ」と訓読する。

→「已」は元々finishの意味の動詞であり、「而」は順接・逆接どちらも表せる接続詞。

※参考:接続詞

→よって、「而已」は「そして、これで終わり」という意味になり、「のみ」という限定の意味となる。

→そして、「而已(音読み:ジイ)」と音が似ている「耳(音読み:ジ)」「而(音読み:ジ)」「爾(音読み:ジ)」が「のみ」と訓読する限定の意味となる。

②而已=已矣=也已=而已矣=也已矣=焉耳矣=而已耳=焉爾=乎爾:全て「のみ」と訓読する。

→全て「而已」からの派生。「矣・也・焉・乎」など記号を表す漢字(置き字)を利用して終わりを強調したり、省略したりしている。

※参考:記号を表す漢字

③独=特:「たダ」と訓読する。

→「独(音読み:トク)」の意味はonlyであり、同じ音の「特(音読み:トク)」も同じ意味になった。

④止=只=翅=祇=啻:「たダ」と訓読する。

→「止」がfinishの意味で「已」と同じ意味。「止」「只」「翅」「祇」「啻」はすべて音読みが「シ」。

※不啻:「ただ~のみならざる」と訓読する。「啻」は基本的に不定または反語でのみ使用する。

⑤単=但:「たダ」と訓読する。

→「単」がonlyの意味で、「単」「但」はともに「タン」と音読みする。

⑥唯=惟:「たダ」と訓読する。

→「已」「唯」「惟」はすべて音読みが「イ」。

⑦直・正・適:「まさニ」「たダ」と訓読みする。