「鵲の 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・なし

②助動詞と助詞の文法的説明

・「る」は存続の助動詞の連体形

・「ば」は順接確定条件(偶然条件)の接続助詞

・「ぞ」は係助詞

・「に」は完了の助動詞の連用形

・「ける」は詠嘆の助動詞の連体形(係り結び)

③句切れ

・句切れなし

④現代語訳

かささぎが渡しているという天上の橋のような宮中の階段に、下りた白い霜を見ると、この地上の夜もすっかりと更けてしまったのだなあ(地上と同じように天上の夜もすっかり更けてしまったのだなあ)

⑤その他解説

・鵲(かささぎ):カラス科の黑い鳥。七夕の夜に織姫を渡すためにかささぎが翼を広げて天の川に橋をかけるという伝説がある。

・「橋」:天上の橋は、宮中の階(はし)になぞらえて歌うときに用いることがある。

・地上の夜明けを歌っているという説と、地上と同じように天上も夜が更けたと歌っているという説の2つがある。