(1)音便とは
①発音しやすいように語尾が変化すること
②音便の種類
- 撥音便:「~ん」の音になること
- イ音便:「~い」の音になること
- ウ音便:「~う」の音になること
- 促音便:「~っ」の音になること
※古文において「っ(小文字)」は「つ(大文字)」で表記される。
③音便化した文を解釈するときは、音便化する前の文を考えて読むようにする。
(2)音便化の例
①接続助詞「て」が接続する場合
| 音便化前 | 音便化後 |
| 討ちて | 討つて |
| 取りて | 取つて |
| 奉りて | 奉つて |
| 来たりて | 来たつて |
| 遊びて | 遊んで |
| 組みて | 組んで |
| 流して | 流いて |
※古文において「っ(小文字)」は「つ(大文字)」で表記される。
※「て」は読みやすくするために濁音化して「で」となることがある。
②イ音便の例
| 音便化前 | 音便化後 |
| 良き敵ぞ | 良い敵ぞ |
| 黒きこそ | 黒いこそ |
| 黒きはいかに | 黒いはいかに |
| 難かべきもの | 難かべいもの |
③ウ音便の例
| 音便化前 | 音便化後 |
| とくとく | とうとう |
| 黒く染めて | 黒う染めて |
| いましむべく候ふ | いましむべう候ふ |
④「む」が「う」になるパターン
| 音便化前 | 音便化後 |
| よからむ | よかろう敵がな |
| 組みてむとすな | 組んでうずな |
| 申し上げむ | 申し上げう |
※「組んでうずな」は、「み」→「ん」(撥音便)、「て」→「で」(濁音化)、「む」→「う」(ウ音便)、「とすな」が縮まって「ずな」となっている。
⑤促音便の例
| 音便化前 | 音便化後 |
| 乗りたる鞍 | 乗つたる鞍 |
| あはれ | あつぱれ |
※古文において「っ(小文字)」は「つ(大文字)」で表記される。
⑥その他
| 音便化前 | 音便化後 |
| 捨ててけり | 捨ててんげり |
| 斎藤別当であるこそあるめれ | 斎藤別当であるござんめれ |
※「斎藤別当であるござんめれ」は、「こそある」が縮まって「ござん」となった。
(3)音便テスト
→問題
~参考~
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