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(1)「ぬ」の識別
①打消の助動詞「ず」の連体形
※打消の助動詞「ず」は未然形接続。
②完了・強意の助動詞「ぬ」の終止形
※完了・強意の助動詞「ぬ」は連用形接続。
☆「ぬ」の識別の解説授業はこちら→「ぬ」「ね」の識別(打消の助動詞「ず」、完了・強意の助動詞「ぬ」)
(2)「ね」の識別
①打消の助動詞「ず」の已然形
※打消の助動詞「ず」は未然形接続。
②強意の助動詞「ぬ」の命令形
※完了・強意の助動詞「ぬ」は連用形接続。
※完了・強意の助動詞「つ」「ぬ」は命令形になると、強意(~してしまえ)になる。
☆「ね」の識別の解説授業はこちら→「ぬ」「ね」の識別(打消の助動詞「ず」、完了・強意の助動詞「ぬ」)
(3)「る」の識別
①受身・尊敬・自発・可能の助動詞「る」の終止形
※受身・尊敬・可能・自発の助動詞「る」は未然形接続。
※「ーa」の音に接続する。
②完了・存続の助動詞「り」の連体形
※完了・存続の助動詞「り」はサ変には未然形、四段には已然形に接続する。
※「ーe」の音に接続する。
☆「らむ」の識別の解説授業はこちら→「る」「れ」「らむ」の識別(受身・尊敬・可能・自発の助動詞「る」、完了・存続の助動詞「り」、現在推量の助動詞「らむ」)
(4)「れ」の識別
①未然形+れ→受身・尊敬・可能・自発の助動詞「る」の未然形・連用形
※受身・尊敬・可能・自発の助動詞「る」は未然形接続。
※「ーa」の音に接続する。
②完了・存続の助動詞「り」の已然形・命令形
※「ーe」の音に接続する。※完了・存続の助動詞「り」はサ変には未然形、四段には已然形に接続する。
☆「らむ」の識別の解説授業はこちら→「る」「れ」「らむ」の識別(受身・尊敬・可能・自発の助動詞「る」、完了・存続の助動詞「り」、現在推量の助動詞「らむ」)
(5)「らむ」の識別
①現在推量・現在の婉曲の助動詞「らむ」の終止形・連体形
※現在推量の助動詞「らむ」は終止形接続(ラ変には連体形接続)。
※「ーu」の音に接続する。
②完了・存続の助動詞「り」の未然形+スイカカエテの助動詞「む」の終止形・連体形
※完了・存続の助動詞「り」はサ変には未然形、四段には已然形に接続する。
※「ーe」の音に接続する。
☆「らむ」の識別の解説授業はこちら→「る」「れ」「らむ」の識別(受身・尊敬・可能・自発の助動詞「る」、完了・存続の助動詞「り」、現在推量の助動詞「らむ」)
(6)「なむ」の識別
①他者への願望の終助詞「なむ」
※願望の終助詞は未然形接続。
②強意の助動詞「ぬ」の未然形+スイカカエテの助動詞「む」の終止形・連体形
※完了・強意の助動詞「ぬ」は連用形接続
※完了・強意の助動詞「つ」「ぬ」は、推量の助動詞を伴うと強意の意味になる。
③係助詞「なむ」
※文中に係助詞「なむ」があるときは文末が已然形に変化する(係り結びの法則)。
④ナ変動詞(往ぬ・去ね・死ぬ)の未然形活用語尾+スイカカエテの助動詞「む」の終止形・連体形
※「往なむ」「去なむ」「死なむ」の形になっている。
▶「なむ」の識別の手順
- 係り結びをしていれば(文末を見て連体形であれば)、係助詞「なむ」
- 上を見て「往」か「去」か「死」になっていれば、ナ変動詞(往ぬ・去ね・死ぬ)の未然形活用語尾+スイカカエテの助動詞「む」の終止形・連体形
- 「なむ」の位置に注意
- 文中にあれば(文末でなければ)、終助詞ではない(終助詞は文末表現)。
- 結びの省略に注意。もし結びの省略が起きていれば、係助詞「なむ」も文末に来ることができる。
- 接続で判断
- 上の単語が基本活用(右側の活用)であれば助動詞はない。(基本活用の下に助動詞は来ることはない。)詳しくはこちら→補助活用が文法的に重要な理由を解説します!
- 最後は文脈判断
☆「なむ」の識別の解説授業はこちら→「なむ」の識別(他者への願望の終助詞、強意の助動詞「ぬ」の未然形+推量の助動詞「む」、係助詞、ナ変動詞の未然形活用語尾+推量の助動詞「む」)
(7)「に」の識別
①完了の助動詞「ぬ」の連用形
※完了・強意の助動詞「ぬ」は連用形接続。
②断定の助動詞「なり」の連用形
※断定の助動詞「なり」は体言または連体形に接続する。
③格助詞「に」
※格助詞は体言に接続、または連体形接続(準体法)。
④接続助詞「に」
※接続助詞「に」は連体形接続。
⑤単語の一部(ナ変動詞(往ぬ・去ぬ・死ぬ)の連用形活用語尾、形容動詞ナリ活用連用形活用語尾、副詞の一部)
▶「に」のパターン
- 単語の一部の場合は上を見て判断する。
- 完了の助動詞になるときのパターン
- 「にけり」「にき」「にし」「にしか」など下に過去の助動詞を伴ったとき(「~してしまった」と訳す)
- 「にたり」など下に完了の助動詞を伴っていたとき(「~してしまっている」と訳す)←完了を強調した表現
- 断定の助動詞になるときのパターン
- レベル1:下に「あり」「侍り」「候ふ」「おはす」を伴うとき
【例】にある・や侍る・に候ふれ・におはす - レベル2:「に」と「あり」「侍り」「候ふ」「おはす」の間に助詞が挟まっているとき
【例】にぞある・にや侍る・にこそ候ふれ・にておはす - レベル3:結びの省略が起きているとき
【例】にぞ・になむ・にや・にか・にこそ
※「ある」「あらむ」などが省略されている。
- レベル1:下に「あり」「侍り」「候ふ」「おはす」を伴うとき
- 格助詞か接続助詞か
- 上が体言なら、格助詞(接続助詞は体言に接続しない)
- 上が連体形ならば意味で見分ける。体言の省略(準体法)がおきている場合は格助詞
- 格助詞「に」は「~に」と訳す(現代語と同じ)。
- 接続助詞「に」は、「~ので(順接)」「~のに(逆接)」「~すると(単純接続)」と訳す。
- 上記のパターンで見分けることができなれば、文脈判断。
☆「に」の識別の解説授業はこちら→「に」の識別(完了・存続の助動詞「ぬ」の連用形、断定の助動詞「なり」の連用形、格助詞「に」、接続助詞「に」、単語の一部)
(8)「なり」の識別
①四段動詞「なる」の連用形
※活用語の下に用言(動詞、形容詞、形容動詞)が接続する場合は、その活用語は連用形になる。
②伝聞・推定の助動詞「なり」の連用形・終止形
※伝聞・推定の助動詞「なり」は終止形(ラ変は連体形)接続。
③断定の助動詞「なり」の連用形・終止形
※断定の助動詞「なり」は体言または連体形に接続する。
④形容動詞の一部
▶「なり」の識別の手順
- 形容動詞の一部の場合は上を見て判断する。
- まずは、動詞か助動詞かを見極める。上の単語が連用形または基本活用であれば動詞(基本活用の下に助動詞は来ない)。詳しくはこちら→補助活用が文法的に重要な理由を解説します!
- 助動詞であると判断できたら、次は伝聞・推定か断定かを識別
- 接続で判断(ラ変はともに連体形接続なので注意)
※撥音便・撥音便無表記に接続→伝聞・推定の助動詞で確定する。 - 接続で分からないときはパターン
※「なりけり」の「なり」は断定の助動詞
※一人称主語なら断定が多い。(自分の行動を推定したり、伝聞したりしない。)
※ただし、あくまで助動詞であればの話。動詞の「なる」も「なりけり」の形になるし、一人称主語をとれるので要注意。
- 接続で判断(ラ変はともに連体形接続なので注意)
☆例文はこちら→重要な識別「ぬ・ね・る・れ・らむ・なむ・に・なり」例文一覧
☆解説授業はこちら→重要な識別「ぬ・ね・る・れ・らむ・なむ・に・なり」解説授業一覧
【識別の解説授業一覧】
①「ぬ」「ね」の識別(打消の助動詞「ず」、完了・強意の助動詞「ぬ」)
②「る」「れ」「らむ」の識別(受身・尊敬・可能・自発の助動詞「る」、完了・存続の助動詞「り」、現在推量の助動詞「らむ」)
③「なむ」の識別(他者への願望の終助詞、強意の助動詞「ぬ」の未然形+推量の助動詞「む」、係助詞、ナ変動詞の未然形活用語尾+推量の助動詞「む」)
④「に」の識別(完了・存続の助動詞「ぬ」の連用形、断定の助動詞「なり」の連用形、格助詞「に」、接続助詞「に」、単語の一部)
⑤「なり」の識別(四段活用動詞「なる」の連用形、伝聞・推定の助動詞「なり」、断定の助動詞「なり」)
⑥識別全19パターンをマスターしよう!(し・しか・せ・たり・て・と・とも・な・なむ・なり・に・にて・ぬ・ね・ばや・めり・らむ・る・を)
~参考~
☆重要な識別「ぬ・ね・る・れ・らむ・なむ・に・なり」解説・テスト一覧
☆識別全19パターン解説授業→識別全19パターンをマスターしよう!
☆古文文法の解説動画・授業動画一覧(基礎知識、用言、係り結びの法則、助動詞、助詞、識別、敬語、和歌、主体の判別)
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