(1)解説授業動画
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(2)解説授業の原稿
完了時制を使うために必要な2つの要素
今回は完了時制を解説します。
そもそも完了時制とは、基準となる時を定め、それよりも前の時点から始まった動作や状態が基準点まで続いていることを表す時制です。
※イメージ図
そのため完了時制を使う場合は次の2つの要素が必要となります。
①基準点となるときを相手に示すこと
②基準点より前に動作や状態が始まっていること
この2つが完了時制には必要です。
現在完了
それでは、現在完了・過去完了・未来完了で確認してみましょう。
まずは現在完了です。
例えば、以下のような例文があったとしましょう。
I have lived in Hiroshima for five years.(私は5年間広島に住んでいる。)
これは、継続を表す完了時制の文です。
では、この文の①基準点と②状態の始まりはいつなのかを確認してみましょう。
①まずは基準点ですが、今回は現在完了(have lived)を使っているので、基準点は現在になります。
現在完了形を使っている時点で、基準点は現在になることが決まるので、特別に文の中で明示する必要はありません。
②そして、状態の始まりですが、for five yearsとあるので、状態の始まりは今から5年前と分かります。
つまり、「5年前に住み始めて現在までずっと住んでいる」という継続の意味を表すことになります。
※イメージ図
過去完了
次に過去完了を確認します。
例えば、以下のような例文があったとしましょう。
I had lived in Hiroshima for five years when I graduated from high school.(高校を卒業した時、私は、5年間広島に住んでいた。)
では、この文の①基準点と②状態の始まりを考えてみましょう。
①この文の基準点は、when I graduated from high school(高校を卒業した時)なので、過去となります。
②そして、状態の始まりは、高校を卒業した時よりもさらに5年前、過去の過去を表す大過去が状態の始まりとなります。
※イメージ図
- 大過去とは過去よりも過去の時制のこと。
つまり、「大過去(過去の過去)の時点で住み始めて、5年間住んで卒業したが、この卒業した時も過去である」ということになります。
このように、過去完了を使うときは、基準となる過去の時を明確に示し、それよりも前に動作や状態が始まったときにしか使えません。
未来完了
最後に未来完了で確認しましょう。
例えば、以下のような例文があったとします。
I will have lived in Hiroshima for five years tomorrow.(明日で私は5年間広島に住んでいることになる。)
では、この文の①基準点と②状態の始まりを考えてみましょう。
①まず、基準は tomorrow(明日)つまり未来となります。
②そして、状態の始まりは明日から5年前となります。
未来完了で注意したいのは、動作や状態の始まりが現在とは限らないということに注意してください。
※イメージ図
つまり、「明日から5年前に住み始めて、明日までで5年間住んだ」ということになります。
このように未来完了は、未来の基準となる時を明確に示し、それよりも前から動作や状態が始まっているときに使います。
いかがだったでしょうか。完了時制には、①基準となる時と、②それよりも前の動作や状態の始まりの2つの要素が必要であるということが分かっていただけたと思います。
- 完了進行形の解説はこちら→進行形で注意すべきこと(進行形のイメージ、現在形のイメージ、動作動詞と状態動詞、be always ~ing、近い確定的な未来、決まりきった未来、完了進行形を使うための条件、受動態の進行形)
(3)解説授業の内容を復習しよう
①完了時制のどの意味か(完了・経験・継続・結果)、完了時制の文法事項テスト
(4)時制(英文法)の解説一覧
①willを使わないで未来を表す3つの方法(be going to / be about to、現在進行形で近い確定的な未来を表す、現在形で確定した未来を表す)
②進行形で注意すべきこと(進行形のイメージ、現在形のイメージ、動作動詞と状態動詞、be always ~ing、近い確定的な未来、決まりきった未来、完了進行形を使うための条件、受動態の進行形)
③完了時制はイメージで理解しよう(完了時制に必要な2つの要素、現在完了、過去完了、未来完了)
④時制の一致の例外(そもそも時制の一致とは何か、常に現在形になる場合、常に過去形になる場合、時・条件を表す副詞節では未来を表すwillは使わないについても解説しています)
☆その他の英文法の解説授業はこちら→英文法の解説動画・授業動画一覧
(5)参考
☆覚えるべきイディオム一覧(助動詞、受動態、不定詞、分詞、動名詞、関係詞、比較、否定、群前置詞、動詞、名詞、形容詞、副詞)
☆ここに受験英文法が全てまとめてあります→英文法のすべて(解説・授業・確認テスト一覧)