「風そよぐ ならの小川の 夕暮は みそぎぞ夏の しるしなりける」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・「なら」は木の名前である「楢」と「ならの小川」の掛詞

②助動詞と助詞の文法的説明

・「ぞ」は係助詞

・「なり」は断定の助動詞の連用形

・「ける」は詠嘆の助動詞の連体形(係り結び)

③句切れ

・句切れなし

④現代語訳

風がそよそよと楢(なら)の葉に吹いている、このならの小川の夕暮れは、(もうすっかりと秋のような気配だが) 小川で行われている夏越しの祓え(夏越しの祓え)を見ると、まだ夏である証拠であるなあ。

⑤その他解説

・「ならの小川」は京都の上賀茂神社付近を流れる御手洗川(参拝人が口をすすぎ、手を清める川)のこと。

・「みそぎ」は水で身を清め、罪や穢れを祓う行事のこと。今回は、旧暦6月30日に行われる夏越しの祓えを指す。