「瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・「瀬を早み岩にせかるる滝川の」が「われても」を導く序詞

②助動詞と助詞の文法的説明

・「るる」は受身の助動詞の連体形

・「て」は接続助詞

・「も」は係助詞

・「む」は意志の助動詞の終止形

・「ぞ」は係助詞(連体形結び)

③句切れ

・句切れなし

④現代語訳

川の流れが早いので、岩にせき止められた急流が時にはふたつに分かれても、またひとつになるように、わたし達の間も、今はたとえ引き離されていても、後にはきっと結ばれるものと思っています。

⑤その他解説

・「早み」:形容詞「早い」の語幹に「~なので」と理由を表す接尾語が付いた形。

・「滝川」は流れの激しい川のこと

・「われて」は水流が分かれるのと、男女が別れることの意味を掛けている。