「わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・「久方の」は「雲居」を導く枕詞。

②助動詞と助詞の文法的説明

・「て」は接続助詞

・「ば」は順接確定条件(偶然条件)の接続助詞

・「つ」は古い用法の格助詞。「の」の意味

③句切れ

・句切れなし

④現代語訳

大海原に船を漕ぎ出して見渡すと、沖の方では、雲と見わけがつかないような白波が立っているのが見える。

⑤その他解説

・「わたの原」:広々とした海原。「わた」は海のこと。

・「雲居」とは「雲の居るところ」つまり「空」のことだが、今回は雲そのものを意味する。