「滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞えけれ」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・なし

②助動詞と助詞の文法的説明

・「は」は係助詞

・「て」は単純接続の接続助詞

・「ぬれ」は完了の助動詞の已然形

・「ど」は逆接の接続助詞

・「こそ」は係助詞(已然形結び)

・「けれ」は詠嘆の助動詞の已然形(係り結び)

③句切れ

・句切れなし

④現代語訳

滝の水の流れが絶えて水の音が聞こえなくなってから、もう長い月日が過ぎてしまったが、見事な滝であったというその名声は今も流れ伝わって、よく世間にも知れ渡って聞こえることだ。

⑤その他解説

・「滝」:京都嵯峨の大覚寺の滝殿の滝のこと。この歌にちなんで「名古曾の滝」と呼ばれる。「流れ」は「滝」の縁語。

・「聞こえ」と「音」は縁語