「あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・なし

②助動詞と助詞の文法的説明

・「ざら」は打消しの助動詞の未然形

・「む」は推量の助動詞の終止形、または婉曲の助動詞の連体形

・「もがな」は願望の終助詞

③句切れ

・初句切れ、または句切れなし

→「む」が終止形であると解釈すると初句切れ、連体形であると解釈すると句切れなし

④現代語訳

私はもうすぐ死んでしまうでしょう。この世ならざるあの世の思い出に、せめてもう一度だけでもあなたにお会いしたいのです。

⑤その他解説

・「あら」は動詞「あり」の未然形。「生きる」の意味。

・「この世のほか」:「この世」は現世のことで、その「ほか」ということなので、死後の世界や来世を意味する。