「月見れば ちぢに物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・なし

②助動詞と助詞の文法的説明

・「ば」は順接確定条件(偶然条件)の接続助詞

・「こそ」は係助詞

・「に」は断定の助動詞の連用形

・「は」は係助詞

・「ね」は打消しの助動詞の已然形

・「ど」は逆接の接続助詞

③句切れ

・三句切れ

→「悲しけれ」は形容詞の已然形で係り結びになっている

④現代語訳

秋の月を眺めてていると、あれこれと思い起こされもの悲しいことです。私ひとりだけの秋ではないのだけれど。

⑤その他解説

・「千々に(ちぢに)」は「いろいろ際限なく」の意味。「わが身ひとり」とせず「ひとつ」としているのは、この「千々」と対比させているから。