「春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそをしけれ」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・「かひな」は「甲斐なく」と「腕(かひな)」を掛けている掛詞

②助動詞と助詞の文法的説明

・「ばかり」は程度を表す副助詞

・「なる」は断定の助動詞の連体形

・「む」は婉曲の助動詞

・「こそ」は係助詞(已然形結び)

③句切れ

・句切れなし

④現代語訳

春の短い夜の夢のようにはかない、僅かばかりの時間である共寝であなたの腕を枕にしたばかりに、そのことで立つようなつまらない浮き名が口惜しいのです。

⑤その他解説

・「春の夜の夢」は、はかないもののの例えとしてよく用いられる。