「住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢のかよひ路 人目よくらむ」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・「住の江の 岸に寄る波」が「よる」を導く序詞

②助動詞と助詞の文法的説明

・「さへ」は副助詞。「~までも」と訳す

・「や」は疑問の係助詞

・「らむ」は現在推量(現在の理由の推量)の助動詞の連体形(係り結び)

③句切れ

・句切れなし

④現代語訳

住の江の岸に寄る波ではないが、 (人目の付く昼だけでなく)夜までも、夢の中の通い路で、どうしてあなたは人目をはばかって私に会いに来てくれないのだろうか。

⑤その他解説

・「住の江」:大阪市住吉区の海岸。松の名所で、「待つ」恋の歌によく詠まれる歌枕。

・「よく」は「避ける」の意味。