「わびぬれば 今はた同じ 難波なる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・「みをつくし」に「澪標」と「身を尽くし」が掛けられている

②助動詞と助詞の文法的説明

・「ぬれ」は完了の助動詞の已然形

・「ば」は順接確定条件(理由)の接続助詞

・「なる」は存在の助動詞の連体形

・「て」は接続助詞

・「も」は係助詞

・「む」は意志の助動詞の終止形

・「ぞ」は係助詞

③句切れ

・二句切れ

→「同じ」が形容詞の終止形

④現代語訳

(あなたとの関係の噂が立ったため)このように思い悩んでいるので、今はもう身を捨てたのと同じことです。いっそのこと、あの難波にある澪標ではないが、この身を尽くしてもあなたにお会いしたいと思います。

⑤その他解説

・作者の元良親王は、宇多天皇の后である京極御息所との密通が噂された。

・「難波」は大阪湾近辺のこと

・「澪標」は船の進路を示す杭のこと