「さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・なし

②助動詞と助詞の文法的説明

・「て」は単純接続の接続助詞

・「ば」は順接確定条件(偶然条件)の接続助詞

・「も」は係助詞

③句切れ

・句切れなし(四句切れとする説もある)

→形容詞「同じ」の文法的解釈が2つある。終止形とすれば四句切れだが、連体形とするのが主流の考え方である。形容詞「同じ」の連体形は「同じき」だが、「同じき」は平安時代には漢文訓読体でしか使われていなかった。今回は、「同じ」は形としては終止形だが、連体形の意味で使っていると考える。

④現代語訳

あまりにも寂しくて、庵を出てあたりを眺めてみると、どこもかしこも同じ、寂しい秋の夕暮れの景色だ。