サイトアイコン 大学受験の王道

解と係数の関係の証明(三次方程式の解と係数の関係も解説しています)

(1)解説授業動画

YouTubeチャンネルの登録をよろしくお願いします→大学受験の王道チャンネル

(2)解説授業の原稿

二次方程式の解と係数の関係

まずは、二次方程式の解と係数の関係を確認してみます。

二次方程式ax2+bx+c=0の解をα, βとすると、

となるのが解と係数の関係です。ポイントとして、α+β=-a/bのマイナスを忘れやすいので注意してください。

ではなぜ解の和が-a/bとなるのか、あるいは解の積がc/aとなるのか、今回はその理由を説明します。

解とは何か?

まずはそもそも解とは何かについて解説します。

方程式の解とは、その方程式を満たす値のことです。

つまりxについての方程式のax2+bx+c=0解がα, βであるということは、αとβをこの方程式のxに代入しても成り立つということであり、それはつまり、この方程式の左辺であるax2+bx+cのxにαを代入した場合0となり、βを代入しても0となるということになります。

二次方程式の解と係数の関係の証明

したがって、この方程式の左辺は次のように書くこともできます。

ax2+bx+c=a(x-α)(x-β)

この式のxにαを代入したらこの式は0となり、また、この式のxにβを代入したらこの式は0となります。ただし、左辺のx2の係数がaなので、このイコールを成り立たせるために、右辺もx2の係数がaになるようにカッコの前にaを書くのを忘れないようにしてください。

そしてこの右辺を展開すると以下のようになります。

ax2+bx+c=a(x-α)(x-β)=ax2-a(α+β)x+aαβ

あとはax2+bx+cとax2-a(α+β)x+aαβの係数を比較して

b=-a(α+β), c=aαβ
⇔ α+β=-b/a, αβ=c/a

となるので、解と係数の関係が成り立つことを示すことができました。

このように成り立ちを知っておけば解と係数の関係がなぜこのようになるのか、あるいは、なぜ符号がこのようになるのかがわかると思います。

三次方程式の解と係数の関係

この考え方を使えば、三次以上の方程式でも、解と係数の関係を自分で作ることができます。

三次方程式ax3+bx2+cx+d=0の解をα, β, γとしたとき、
α+β+γ=-b/a, αβ+βγ+γα=c/a, αβγ=-d/a

となります。この三次方程式の解と係数の関係を先ほどの考え方を使って示してみます。

三次方程式の解と係数の関係を証明する

この方程式の解がα, β, γである、つまり、この方程式の左辺のxにαとβとγを代入した場合0となるということなので、この方程式の左辺は以下のように因数分解することができます。

ax3+bx2+cx+d=a(x-α)(x-β)(x-γ)

そして先ほどと同様に、この式を展開します。

展開のコツ

ここで、こういった式の展開のコツをお伝えします。

こういった式を展開するときに、分配法則を使って一度全部バラバラに展開してからそのあとxについて整理するというやり方をする人がいますが、こういった式の展開と、そのあと降べきの順に整理するといった手順は、一気にまとめて暗算でできるようになりましょう。

実際にやってみます。

まずはこの式を見て、xの最高次数を考えます。3つのカッコすべてにxがあるので、最高次数は3です。そして、展開してx3をつくるにはそれぞれのカッコからxを選べばいいので、x3の係数はaだけとなります。

次にx2の係数を考えます。この3つのカッコを展開してx2をつくるためには、3つのカッコのうちから2つxを選び、残りの1つはxを選ばないようにすればよく、考えられる組み合わせとしては、{-α, x, x}、{x, -β, x}、{x, x, -γ}の組み合わせなので、x2の係数はカッコの前のaに注意して、a(-α-β-γ)となります。

続いてxの係数について考えてみます。この3つのカッコを展開してxをつくるためには3つのうち1つxを選び、残りの2つはxを選ばないようにすればよく、その組み合わせは、{-α, -β, x}、{x, -β, -γ}、{-α, x, -γ}の3つの組み合わせなので、xの係数はa(αβ+βγ+γα)となります。

そして、定数項は3つのカッコすべてがxを選ばないようにすればいいので{-α, -β, -γ}の組み合わせとなり、定数項は-αβγとなります。

ax3+bx2+cx+d=a(x-α)(x-β)(x-γ)=ax3+a(-α-β-γ)x2+a(αβ+βγ+γα)x-αβγ

このように展開と整理を同時に行うようにすれば、早く計算ができるようになります。ぜひ試してみてください。

係数を比較

それではこの式の展開が終わったので、あとはax3+bx2+cx+dとax3+a(-α-β-γ)x2+a(αβ+βγ+γα)x-αβγの係数を比較します。すると

b=a(-α-β-γ), c=a(αβ+βγ+γα), d=-αβγ
⇔ α+β+γ=-b/a, αβ+βγ+γα=c/a, αβγ=-d/a

三次方程式の解と係数の関係を示すことができます。

(3)解説授業の内容を復習しよう

三次方程式の解と係数の関係

二次方程式の作成(解と係数の関係を利用する)

(4)複素数と方程式(数学Ⅱ)の解説一覧

複素数と方程式(数学Ⅱ)公式一覧

解と係数の関係の証明(三次方程式の解と係数の関係も解説しています)

高次式の因数分解・高次方程式の解法の解説(因数定理を正確に理解しよう!)

根号や虚数単位iを含む式を代入して式の値を求める問題の解法(次数下げ)

1の3乗根ω(オメガ)とは何か(ωの意味と使い方についての解説)

(5)参考

複素数と方程式(数学Ⅱ)の解説・授業・公式・演習問題一覧

数学Ⅱの解説動画・授業動画一覧

数学Ⅱ公式一覧

数学Ⅱの解説・授業・公式・演習問題一覧

数学の解説動画・授業動画一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)

数学公式一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)

数学の解説・授業・公式・演習問題一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)

数学典型パターン一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)

数学の語呂合わせ

数学学習に必要な参考書・問題集

モバイルバージョンを終了