(1)解説授業動画
- 次の解説動画(分割バージョン):漸化式をマスターしよう(2)基本パターン①(特性方程式を利用して解く漸化式、漸化式の解法の基本にして奥義)
- 次の解説動画(まとめバージョン):漸化式をマスターしよう(2)基本8パターン解説
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(2)解説授業の原稿
漸化式をマスターするために、様々なパターンの解法を解説します。
基本中の基本のパターン2つ
では、まずは基本中の基本のパターンから解説します。
①a1=−5, an+1=an+3
②a1=2, an+1=−2/3an
これらの漸化式が解けないようでは、そもそも漸化式とは何かについて理解できていないということになります。とりあえずまずこの2つの漸化式を解いてみます。
まず①は、3が公差の等差数列なので、等差数列の一般項の式であるan=a1+(n−1)・dの式を使って計算すると、an=−5+(n−1)・3となり、an=3n−8となります。
続いて②ですが、−2/3が公比となる等比数列なので、等比数列の一般項の式であるan=a1・rn−1を使うと、この漸化式の一般項は、an=2・(−2/3)n−1となります。
なぜ①は等差数列なのか
ではなぜ、1つ目の漸化式が等差数列で、2つ目の漸化式が等比数列ということができるのでしょうか。
それは漸化式とは何かを理解していれば分かります。
そもそも漸化式とは、ある項とその前の項の関係を示したものです。
①漸化式で言えば、ある項とはan+1のことで、その前の項とはanのことです。つまりこの漸化式は、「ある項はその前の項に3を足したものである」ということを表しています。
よってこの漸化式が表す数列を具体的に書いてみると、以下のようになります。
初項は−5であり、次の項はその前の項に3を足したものとなり、その次の項もその前の項に3を足したもので、その次の項もその前の項に3を足したものになり、それがずっと続いている数列が、この漸化式が表す数列なのです。
したがって、この漸化式が表す数列は3を公差とした等差数列となるのです。
なぜ②は等比数列なのか
同様に②の漸化式も、「ある項はその前の項に−2/3をかけたものである」ということを表しているので、具体的に数列を書くと以下のようになります。
初項が2で、その次の項はその前の項に−2/3をかけたものになり、その次の項もその前の項に−2/3をかけたものになり、その次の項も同様に前の項に−2/3をかけたものになり、それがずっと続いていく数列がこの漸化式が表す数列なのです。
したがって、この漸化式が表す数列は、公比が−2/3の等比数列となります。
いかがでしょうか。まずは漸化式の基本中の基本の考え方が理解できたでしょうか。これを理解していないといくらパターン演習をしても漸化式をマスターすることはできません。必ず漸化式とは何かを理解した上で、続きをご覧になってください。
(3)解説授業の内容を復習しよう
(4)漸化式をマスターしよう(数学B)解説一覧
②漸化式をマスターしよう(1)基本中の基本(等差数列の漸化式、等比数列の漸化式、そもそも漸化式とは何か)
④漸化式をマスターしよう(3)応用パターン解説(隣接3項間漸化式、発想が難しい漸化式、一般項を予想して数学的帰納法で証明するパターン)
(5)数列(数学B)の解説一覧
②複利計算の解説(そもそも複利とは何か、積み立て預金の計算について解説しています)
③階差数列の公式の原理(答案の書き方、なぜn≧2にするのか、そもそもなぜこの公式が成り立つのかについて解説しています)
④数列を理解できているか試すことができる良問の解説(2015年センター試験本試数学ⅡB第3問を記述問題に改題しています)
⑥数学的帰納法の分かりやすい答案の書き方(不等式バージョン)
(6)参考
☆漸化式(数学B)をマスターしよう(漸化式全パターンの解説・授業・演習問題一覧)
☆数学の解説・授業・公式・演習問題一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)
「漸化式をマスターしよう」シリーズは、『細野真宏の数列と行列が面白いほどわかる本 Version2.0』(細野真宏著、(株)中経出版発行、現在は絶版)を参考にしています。
細野真宏先生が現在発行している出版物はこちら(小学館HP)→https://www.shogakukan.co.jp/author/5885
中経出版の参考書・問題集はこちら(学参ドットコム)→https://www.gakusan.com/