(1)解説授業動画
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(2)解説授業の原稿
導関数は微分係数を教えてくれる関数
導関数f’(x)は微分係数を教えてくれる関数と言えます。
そのため、導関数を理解するためには、微分係数と関数とは何かを理解しないといけません。
関数とは何か
まずは関数とは何かについて確認します。
xの値が定まると、それに対応したyの値がただ1つに定まるときを、「yはxの関数である」といいます。
よく関数は自動販売機に例えられます。つまり、「自動販売機のボタンを押すと、それに対応したジュースが出てくる」、このような関係を関数といい、何かを入力したときにそれに対応したものを出力、つまり教えてくれるものが関数であるといえます。
微分係数が表すもの
次に微分係数が表すものについて確認します。
「x=aにおける微分係数」と言えばf’(a)と書きます。
この微分係数と、f’(x)つまり導関数はよく混同されてしまうのでしっかり区別しましょう。
x=aにおける微分係数とは、(a, f(a))における接線の傾きを表しています。つまり、微分係数とはグラフ上のある特定の点における接線の傾きを表していると言えます。
導関数が教えてくれるもの
よって導関数とは、元の関数の微分係数つまり接線の傾きを教えてくれる関数であり、元の関数つまりf(x)のグラフ上の点のx座標を導関数に代入すると、その点の接線の傾きを教えてくれるのです。
例えばy=f(x)のグラフがあり、このグラフ上のx座標が2の点、つまり(2, f(2))における接線の傾きを知りたいときは、まずはf(x)を微分して導関数f’(x)を求め、この導関数にx=2を代入します。そのようにして出てきたf’(2)がこの(2, f(2))おける接線の傾きとなっています。
このように知りたい場所のx座標を代入すると、その場所の接線の傾きを教えてくれるのが導関数なのです。
導関数と元の関数の関係
それでは導関数が何かについて理解できたところで、導関数つまりf’(x)と、元の関数f(x)の関係について確認してみます。
まず導関数f’(x)が正のときは、接線の傾きが正となるので、元の関数f(x)は増加します。また導関数f’(x)が負のときは、接線の傾きが負になるので、元の関数f(x)は減少します。そして導関数f’(x)が0の場合は、接線の傾きも0なので、元の関数f(x)は増加も減少もしません。
グラフで確認してみると、f’(x)がx軸よりも上、つまり正になっている部分は、元の関数f(x)は増加します。そしてf’(x)がx軸より下、つまり負になっている部分は、元の関数f(x)は減少しています。そしてf’(x)とx軸の交点、つまりf(x)が0になっている部分では、元の関数f(x)は増加も減少もしていません。
このように、導関数は元の関数の増減を教えてくれるので、導関数を求めると、グラフの形がどのようになっているか知ることができます。
増減表の正しい作り方
最後に増減表を作るときの注意点をお伝えします。
例えば3次関数y=-x3+6xの増減表を作ってみます。
まずは微分して導関数を求め、因数分解などをします。
y’=-3x2+6=-3(x+√2)(x-√2)
そしてこの後、増減表を作るのですが、この導関数が0となるときのxの値を元の関数に代入して、その値を求め、この値の大小関係を見て、減少、増加、減少を書き込み、その後にy’の欄を書き込むといったようなやり方をする人がいますが、このやり方で増減表をかいてはいけません。
増減表を見てもらったら分かる通り、上からx, y’, yの順番になっているので、この順番で埋めていくのが原則です。先ほども確認した通り、そもそも元の関数の増減を知るために導関数を求めているので、導関数の欄を埋めてから、それに対応した元の関数の増減を書くようにするべきです。
それでは、今回の場合の正しい増減表のかき方を確認しています。
y=-x3+6x
y’=-3x2+6=-3(x+√2)(x-√2)
x | … | -√2 | … | √2 | … |
y’ | - | 0 | + | 0 | - |
y | ↘ | 極小 | ↗ | 極大 | ↘ |
導関数を求めたら、まずは導関数のグラフをかきます。そして導関数のグラフが負になっている部分と正になっている部分を確認して、増減表の2行目に書きます。
導関数の行が埋まったら、それを見ながら3行目の元の関数の増減を書いていきます。最後に極値となる場所のxの値を代入して、極値を求めます。
これで増減表が完成します。このように増減表を書くときは必ず上から順番に書くようにしてください。
(3)解説授業の内容を復習しよう
(4)微分(数学Ⅱ)の解説一覧
②導関数とは何か(導関数と微分係数を区別しよう、導関数と関数の増減との関係、増減表の正しい作り方)
③極値をもつ条件(そもそも極値とは何か、「f'(α)=0ならばx=αで極値をもつ」は偽である理由、極値の条件から係数を決定する問題で逆の確認(十分性の確認)をしないといけない理由も解説しています)