過去の助動詞「き」「けり」文法事項テスト(問題と答え)【古文文法のすべて】

☆問題のみはこちら→過去の助動詞「き」「けり」文法事項テスト(問題)

☆解説授業はこちら→過去の助動詞「き」「けり」の解説(「~せば……まし」の構文についても解説しています)


①助動詞「き」の活用を答えよ。

未然形連用形終止形連体形已然形命令形
しか

②助動詞「けり」の活用を答えよ。

未然形連用形終止形連体形已然形命令形
(けら)けりけるけれ

※未然形の「けら」は上代(奈良以前)にのみ見られる。

③助動詞「き」の未然形「せ」はどのようなときに用いるか?

→反実仮想の構文「~せば……まし」(もし~ならば……なのに)でのみ用いる。

※反実仮想の構文についてはこちら→反実仮想の助動詞「まし」の意味と訳し分け(反実仮想・ためらいの意志・反実の願望の訳し分けについて解説しています)

④助動詞「けり」は過去以外にどのような意味があるか?

→詠嘆(気づき)(~だったのだ、~だなあ)
※和歌の中でよく使われる。

⑤「き」「けり」の基本的な接続は?

→連用形接続(ただし「き」はカ変・サ変には未然形にも接続することは知っておきましょう)
※「過去・完了の助動詞」の分類。

⑥「今宵は十五夜なりけり。」を現代語訳せよ。

→「今夜は十五夜であるなあ。」
※「今宵」とあるので、「けり」は過去ではなく詠嘆で訳す。

⑦「春の野に若菜摘まむと来しものを散り交う花に道はまどひぬ」の「来し」を文法的に説明せよ。

→カ変動詞「来」の未然形+過去の助動詞「き」の連体形
※過去の助動詞「き」はカ変には未然形に接続する。そのため、「きし」ではなく、「こし」と読む。
※「し」の後ろが「もの」(体言)になっているので、連体形になっている。
※和歌の意味:春の野辺で若菜を摘もうとして来たのに、散り乱れる花で道に迷ってしまった。

⑧「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」の「せ」を文法的に説明せよ。

→過去の助動詞「き」の未然形
※反実仮想(もし~ならば……なのに)の構文「~せば……まし」がある。(過去の助動詞「き」の未然形の「せ」を使う唯一の構文)
※「ば」は順接仮定条件(もし~ならば)で、未然形接続。
※和歌の意味:もし世の中に全く桜がなかったならば、春の人々の心はのどかだろうに。


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☆解説授業はこちら→過去の助動詞「き」「けり」の解説(「~せば……まし」の構文についても解説しています)

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