格助詞「が・の・より・にて・して・とて・を」文法事項テスト(問題と答え)【古文文法のすべて】

☆問題のみはこちら→格助詞「が・の・より・にて・して・とて・を」文法事項テスト(問題)

☆解説授業はこちら→格助詞「が・の・より・にて・して・とて・を」の意味と注意点(同格の「の」、比喩の「の」、格助詞「より」の重要な意味、「をば」の訳し方を例文を使って解説しています)


①格助詞は何に接続するか。

→体言、または(準体法となっている)連体形
※準体法とは、連体形の後ろに体言を省略する文法のこと。詳しくはこちら→古文でよく出てくる準体法とは何かについて解説します。

②格助詞「が」の意味を3つ答えよ。

→主格(~が)、連体格(~の)、体言の代用(~のもの)
※「が」でも「の」と同じ用法で使うことがある。

③格助詞「の」の意味を5つ答えよ。

→主格(~が)、連体格(~の)、体言の代用(~のもの)、同格(~で)、比喩(~のように)
※「の」でも「が」と同じ用法で使うことがある。

④同格の「の」の見分け方を説明せよ。

→「~体言+の+……連体形、」の形になっていたら同格の「の」
※連体形の後ろに体言が省略されている(準体法という)。

⑤ 比喩の「の」はどのようなときに使うか?

→和歌の中(主に序詞につく)、「例の+用言」

⑥「例の+用言」でどのような意味になるか?

→いつものように~
※「例の+体言」の場合は「いつもの」と現代語訳する。

⑦「飼ひたる犬の少将が子に飛びつきたり。」を現代語訳せよ。

→飼っている犬が少将の子に飛びついた。
※「の」は主格なので「が」と訳し、「が」は連体格なので「の」と訳す。
※「たる」は「犬」(体言)に接続しているので存続(~ている)で訳す。

⑧「唐のなでしこはさらなり、大和のもいとめでたし。」を現代語訳せよ。

→唐のなでしこは言うまでもないが、大和のものもたいそうすばらしい。
※1つ目の「の」は連体格(~の)、2つ目の「の」は体言の代用(~のもの)。
※なでしこ(撫子):秋の七草の1つ。初秋に淡紅色の花を開く。
※「さらなり」は「言うまでもない」、「めでたし」は「すばらしい」という意味。どちらも重要単語。

⑨「頭白き女の、水汲めるなん、家に入りける。」を現代語訳せよ。

→頭が白い(白髪の)女で、水を汲んでいる女が、家に入った。
※「の」は「~で」と訳す。体言は2回訳す(準体法によって省略されている体言も訳す。今回で言えば「女」を2回訳す)
※「汲める」の「る」は存続の助動詞「り」の連体形。

⑩「少将、例のうなづく。」を現代語訳せよ。

→少将、いつものようにうなずく。
※「例の+用言」は「いつものように」と訳す(比喩の「の」)。

⑪格助詞「より」の、起点(~から)、比較の基準(~よりも)、限定(~よりほかに)以外の意味を3つ答えよ。

→通過する場所(~を通って)、手段(~で・~によって)、即時(~やいなや)
※これらの現代語にはない意味に注意しよう。

⑫格助詞「にて」の現代語訳は?

→~で

⑬格助詞「して」の現代語訳は?

→~で、~を使って

⑭格助詞「とて」の現代語訳は?

→~と言って、~と思って

⑮「をば」を文法的に説明せよ。

→格助詞「を」+係助詞「は」の濁音化

⑯「をば」の現代語訳は?

→~を

⑰なくても文が成り立つ「を」は何か。

→間投助詞の「を」

⑱格助詞でも間投助詞でもない「を」は何か。

→接続助詞
※連体形接続。文と文をつないでいる。意味は、順接:~なので、逆接:~なのに、単純接続:~すると

⑲「前より行く水をば初瀬川といふなりけり。」を現代語訳せよ。

→前を通って流れていく川を初瀬川というのであった。
※今回の「より」は通過する場所(~を通って)の意味。
※「をば」は「を」と訳す。
※「なりけり」の「なり」は助動詞の場合は断定の意味になる(伝聞・推定の助動詞にはならない)。

⑳「汝、馬より行くに、我、徒歩より行く。」を現代語訳せよ。

あなたは馬で行くが、私は徒歩で行く。
※今回の「より」は手段(~で)の意味

㉑「『あはれなり』とぞ、見るより思はるる。」を現代語訳せよ。

→「しみじみと趣深いなあ」と見るやいなや自然に思われる。
※今回の「より」は即時(~やいなや)の意味。
※「るる」は自発の助動詞「る」の連体形。


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格助詞「が・の・より・にて・して・とて・を」の意味・接続・用法

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助詞(古文)の解説授業一覧

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格助詞「が・の・より・にて・して・とて・を」の意味と注意点(同格の「の」、比喩の「の」、格助詞「より」の重要な意味、「をば」の訳し方を例文を使って解説しています)

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古文でよく出てくる準体法とは何かについて解説します。


~参考~

助詞(係助詞・格助詞・接続助詞・副助詞・終助詞・間投助詞)一覧(意味・接続・用法)

助詞(係助詞・格助詞・接続助詞・副助詞・終助詞・間投助詞)解説・テスト一覧

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