(1)解説授業動画
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(2)解説授業の原稿
no more than / not more than / no less than / not less than
この4つは形が似ており、どの意味になるかややこしくなりがちです。しかし、それぞれがなぜこの意味になるのかを知っておけば、もう迷う必要はありません。
no more than / not more than / no less than / not less thanの意味
まずは、4つの意味をそれぞれ確認してみます。
not more than:多くても
not less than:少なくとも
no more than:~しか
no less than:~も
といったような意味になります。
それでは、なぜこのような意味になるのでしょうか。ポイントは、これらの表現を分解して考えてみることです。
more thanとless thanの意味
まず、そもそも、
more than:~以上
less than:~以下
といった意味になります。これらは、moreやlessといった単語からこのような意味になるのは分かりやすいと思います。
notとnoの意味
続いて、notとnoを確認してみましょう。
notは単純に否定を意味するので、「~ではないほう」という意味の単語です。
それに対して、noは、単純に否定するのではなく、気持ちを込めて強く否定します。あるいはゼロを意味する単語です。
これらを踏まえてこの4つの表現の意味を考えてみましょう。
not more than
まず、not more thanですが、more thanは「~以上」、そしてnotは「~ではないほう」という意味なので、結局のところ、not more than は「~以上ではない」つまり「~以下」を意味しており、少しmoreのニュアンスを残して、「多くても~」と訳します。
not less than
また、not less thanも同様です。
less thanは「~以下」で、notは「そうではないほう」と否定をします。つまり「~以下ではない」ことを意味し、それはすなわち「~以上」であり、lessのニュアンスを少し残して「少なくとも~」といったように訳します。
結局のところ、not more thanは「~以下」を意味しており、less thanは「~以上」を意味しているということをおさえておけばこの2つは理解しやすいと思います。
no more than
続いて、no more thanとno less thanも考えてみましょう。
まず、more thenは「~以上」という意味でした。そしてそれをnoが否定するわけですが、noはnotと違い、気持ちを込めた強い否定であるため、意味としては、「~以上を期待していたが、その可能性がno、つまりゼロとなった」と考えると、「~しか」といった意味になるのが分かると思います。
no less than
no less thanも同様に考えます。
「~以下だと思っていたけど、その可能性はnoつまりゼロである」となるので「~も」といった訳になります。
no more than / no less thanを具体的なイメージで理解する
no more than / no less thanの方を、具体的な例を使って補足してみます。
例えば、ポケットの中に小銭を入れていたとして、100円以上あるだろうと思ってとりだしてみたところ、100円玉1枚だった場合、「100円しか持っていない」と表現するでしょう。
また、同じ状況で、100円以下しか持っていないという気持ちでポケットからお金を取り出してみたら、100円玉1枚だったときは、「100円も持っていた」というふうに表現します。
このように、 no more thanとno less thanは結局同じ状況を表しているのですが、その人の気持ち次第で意味が変わってくるのです。
クジラ構文
それでは、no more thanとno less thanを使った構文であるクジラ構文についても解説します。
クジラ構文でも、先ほどの考え方は使えます。
A is no more B than C is D(AがBでないのは、CがDでないのと同じだ)
まずはこちらの例文を確認してみましょう。
A whale is no more a fish than a horse is.
こちらの例文では、no more thanを使っています。
先ほどと同様に、まずは気持ちの部分を考えてみます。つまり、見た目から考えてみると、クジラと馬を比べてみたら、クジラの方が魚っぽい見た目をしています。しかしクジラは魚類ではありませんので、その可能性はno、つまり、その可能性はゼロであるというのがこの文の表す内容です。
そのため、まず直訳してみると、
「クジラは、馬よりも魚であるということはない。」
となり、すなわち
「馬が魚ではないのと同様に、クジラも魚ではない。」
といった訳になります。
A is no less B than C is D(CがDであるのと同様にAもBである)
下の例文も同様に考えます。
A whale is no less a mammal than a horse is.
こちらでは、no less thanを使っています。
こちらも先ほどと同様に、見た目からしてクジラは哺乳類っぽくありませんが、クジラが哺乳類ではない可能性はno、つまり、その可能性はゼロであるというのがこの文の意味するところです。
先ほどと同様にまずは直訳してみると、
「クジラは、馬よりも哺乳類ではないということはない。」
となり、すなわち
「馬が哺乳類であるのと同様に、クジラも哺乳類である。」
といった意味になります。
no more than / not more than / no less than / not less thanのように、意味が分かりにくいイディオムなどが出てきた場合は、細かく分解して考えてみると分かりやすくなる場合がよくあります。
(3)解説授業の内容を復習しよう
(4)比較(英文法)の解説一覧
①not more than / not less than / no more than / no less thanの考え方(クジラ構文についても解説しています)
②比較級なのにtheをつけるときを解説します(2者の比較、all the 比較級 because/for、none the 比較級 for、the 比較級, the 比較級)
③最上級なのにtheをつけないときを解説します(同一人・物の比較)
☆その他の英文法の解説はこちら→英文法の解説動画・授業動画一覧
(5)参考
☆覚えるべきイディオム一覧(助動詞、受動態、不定詞、分詞、動名詞、関係詞、比較、否定、群前置詞、動詞、名詞、形容詞、副詞)
☆ここに受験英文法が全てまとめてあります→英文法のすべて(解説・授業・確認テスト一覧)