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助動詞の推量の意味
今回は推量の意味を持つ助動詞の解説をします。
can, will. may, should, mustといった助動詞は、推量の意味を持っています。
canは「~できる」という可能の意味だけでなく、「~でありうる」「~かもしれない」といった推量の意味を持っており、willは未来や意志だけではなく、「~だろう」という推量の意味を持っています。
また、mayは「~してよい」という許可の意味だけでなく、「~かもしれない」という推量の意味を持っています。
さらに、shouldは「~すべきである」という意味だけでなく、「~のはずだ」といった当然を表す推量の意味を持っています。
そして、mustは「~しなければならない」という義務のいみだけでなく、「~にちがいない」といった強い確信の推量の意味を持っています。
このように助動詞には、中学で習う意味だけでなく、様々な意味があるということを知っておくことが大学受験レベルの英語を学習するための重要なポイントとなります。
canの推量の意味
例文で推量のcanの使い方を確認してみましょう。
Computers can do many things.
His words can be true.
上の例文を訳してみると、「コンピュータはたくさんのことができる」という意味になり、こちらのcanは推量の意味ではなく、「~できる」という可能の意味になっています。
それに対して下の例文を訳してみると、「彼の言葉は本当かもしれない」といった推量の意味になります。下の例文は「~できる」という可能の意味では訳せないので、推量の意味になると判断することができます。このようにcanは「~できる」と訳せないときもあるので注意しましょう。
推量の助動詞は過去形にすると「弱い推量」になる
それでは次に推量の助動詞において最も重要なポイントを確認します。それは、「推量の助動詞を過去形にすると、どのような意味になるか」ということです。
推量の助動詞は過去形にすると「弱い推量」になります。
特に注意したいのは、過去形にしたからといって「過去の推量」にはならないということです。この点が重要になります。
例文(could)で確認
例文で確認してみましょう。
He could swim fast when he was young.
この文を訳してみると、「彼が若いとき、彼は速く泳ぐことができた。」といったような意味になります。このとき、このcouldは「~できた」といった過去の可能の意味になっています。「~できる」という可能の意味のcanであれば、過去形のcouldにしたときは、過去の意味を表すことになります。
His words could be true.
それに対して、この例文を訳してみると、「彼の言葉は、ひょっとしたら本当かもしれない」といったように、このcouldは「弱い推量」の意味になります。
ここで注意したいのが、このcouldは過去形だけど、過去の話はしておらず、あくまで「現在の弱い推量」である、ということです。そのため、この例文を「彼の言葉は本当だったかもしれない。」といったように過去の推量で訳してしまうと間違いになってしまいます。
弱い推量のwould, could, mightは仮定法で使われる
また、弱い推量の意味になる助動詞は、would, could, mightの3つがあるのですが、これらは主に仮定法で使われるということは知っておきましょう。例えば、
If it were sunny today, I would go there.
この例文は、if節の中で過去形を使っているので、仮定法過去の文となっています。仮定法過去とは、現在の事実に反したことを表す文法なので、帰結節では「現在の弱い推量」を表す推量の助動詞の過去形を使います。
この文を訳してみると、「もし今日晴れれば、私はそこに行くだろうに。」といったような意味になります。「そこに行っただろうに」と過去の意味で訳さないように注意しましょう。
このように推量の助動詞の性質を知っておくと、仮定法が理解しやすくなります。仮定法については別の動画で詳しく解説しているので、ぜひそちらもご覧になってください。
ちなみに、shouldとmustには過去形はないので、「弱い推量」となることはありません。
過去の推量の表し方
先ほど、推量の助動詞は過去形にしても過去の推量とはならず、現在の弱い推量となると言いましたが、では、「~だっただろう」といったような過去の推量を表すときは、どのようにすればよいのでしょうか。
過去の推量を表したいときは、
推量の助動詞+have+p.p.(過去分詞)
とします。このように助動詞の後ろでhaveをつけることで、過去を表すことができます。ちなみに、p.p.とは過去分詞形ということを表しています。
実際に例文で確認してみましょう。
His words could have been true.
この例文を訳してみると、「彼の言葉はひょっとしたら本当だったかもしれない。」といったように推量の助動詞の後ろをhave+p.p.とすることで「過去の推量」となり、推量の助動詞の過去形を使うことで「弱い推量」となるので、could have p.p.は「過去の弱い推量」となります。
過去の弱い推量は仮定法過去完了で使われる
また、先ほどと同様に過去の弱い推量になるのは、would have p.p.とcould have p.p.とmight have p.p.の3つがあるのですが、これらはよく仮定法で使われます。
If it had been sunny, I would have gone there.
この例文は、if節の中が過去完了形になっているので、仮定法過去完了の文となっています。仮定法過去完了とは、過去の事実に反したことを表す文法なので、帰結節では、過去の弱い推量を表す「推量の助動詞の過去形+have+p.p.」が使われます。
この文を訳してみると「もし晴れていたら、そこに行っただろうに。」といったような意味になります。やはり仮定法過去完了も推量の助動詞の性質を知っておけば理解しやすくなります。
推量の助動詞や助動詞+have+p.p.の重要な表現
それでは最後に、推量の助動詞や助動詞+have+p.p.の重要な表現を2つ確認します。
can’t:~のはずがない
まずは、can’tです。
もちろん「~できない」と訳すこともありますが、推量の意味のcanの否定形であれば、「~のはずがない」と訳します。
His words can’t be true.
この例文であれば「彼の言葉は本当のはずがない。」と訳します。
His words can’t have been true.
こちらの例文は、助動詞+have+p.p.となっているので、「彼の言葉は本当だったはずがない。」といったように訳します。
この「~のはずがない」と訳すcan’tは、推量のmust(~にちがいない)の否定の意味になっているということは知っておきましょう。ちなみに、must have p.p.で「~だったにちがいない」と訳し、can’t have beenはこれの否定の意味になっています。
should have p.p.:~したはずだ / ~すべきだったのに(していない)
続いて、should have p.p.は「~したはずだ」という意味と、「~すべきだったのに(していない)」という意味の2つの意味があります。「~したはずだ」は推量の意味を過去にしたもので、「~すべきだったのに(していない)」は義務の意味を過去にしたものです。
She should have arrived at the station.
この例文であれば、「彼女はその駅に到着したはずだ。」、
She shouldn’t have given up.
こちらの例文であれば、「彼女は諦めるべきではなかったのに(諦めてしまった)。」といったような意味になります。
いかがだったでしょうか。助動詞には様々な意味があり、その中でも推量の意味はよく使われます。ぜひ復習しておいてください。
(3)解説授業の内容を復習しよう
(4)助動詞(英文法)の解説一覧
☆その他の英文法の解説はこちら→英文法の解説動画・授業動画一覧
(5)参考
☆覚えるべきイディオム一覧(助動詞、受動態、不定詞、分詞、動名詞、関係詞、比較、否定、群前置詞、動詞、名詞、形容詞、副詞)
☆ここに受験英文法が全てまとめてあります→英文法のすべて(解説・授業・確認テスト一覧)