和歌の修辞法一覧(句切れ・枕詞・序詞・掛詞・縁語・隠し題・本歌取り)【古文文法のすべて】

(1)句切れ

→現代語訳をした際に、句点(。)が入る場所。

文末表現をチェックする。

  1. 活用語の終止形・命令形
  2. 係り結びの結び
  3. 終助詞
  4. 感動詞(「ああ」「あはれ」など)
  5. 呼びかけ(間投助詞「よ」など)

☆例文はコチラ→和歌の句切れ例文

☆解説授業はこちら→和歌の句切れを文法的に見つけよう! ポイントは文末表現を探すことです!

(2)枕詞

→特定の語を導くために用いる主題とは関係のない導入部分。五音定型句。
※主要な枕詞は覚えよう。

☆主要な枕詞はこちら→主要な枕詞一覧

(3)序詞

→特定の語を導くために用いる主題とは関係のない導入部分。七音以上が基本で、その場で作る(定型句ではない)。
※和歌の解釈をする際は、「そもそも序詞が使われているかどうか」あるいは「どの部分が何を導く序詞か」を考えなければいけない。

①見分け方

→主題に関係のない部分

※「~のように」「~ではないが」と訳す。比喩の格助詞「の」がよく使われる。

②導くパターン

  1. 比喩
  2. 同音反復
  3. 掛詞

☆序詞の例文はこちらの(1)を参照→和歌の修辞法例文一覧

☆解説授業はこちら→序詞の3つのパターン(「あしひきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む」「みかの原わきて流るるいづみ川いつみきとてか恋しかるらむ」「立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとしきかば今帰り来む」)

(4)掛詞

→一つの言葉に、同じ音の二つの意味を込める技法。
※要するにダジャレ。

掛詞のパターンは3つ

①掛詞によって、ある文脈が別の文脈に切り替わるパターン

上からくる2つの文脈を掛詞が受けているパターン

和歌に2つの文脈が込められているということを掛詞が示唆するパターン

※基本的に、主題と情景描写(自然や地名など)を掛けることで二つの文脈をつくる。

※解釈するときは、まず主題に関係のない部分を訳し、「~のように」「~ではないが」などでつなぎ、主題の部分を訳す。

☆掛詞の例文はこちらの(2)を参照→和歌の修辞法例文一覧

☆解説授業はこちら→掛詞の3つのパターンを解説します!(「大江山いくのの道の遠ければまだふみも見ず天橋立」の解釈もします)

(5)縁語

→和歌の中に、ある語と関連のある語を「あえて」使う技法。
※「あえて」使っているので、メインの文脈ではないものに用いるのが原則

☆縁語の例文はこちらの(3)を参照→和歌の修辞法例文一覧

(6)隠し題

→提示された言葉を和歌の中に隠すこと。
※和歌の前の文章で「~を題に歌を詠め」と指示されてから作ることが多い。

①隠し題の3つのパターン

  1. 物名:そのまま隠す。
  2. 折句:各句の頭に隠す。
  3. 沓冠:各句の最初と最後に隠す。

※この他にもパターンがある。

②隠し題の探し方のポイント

  1. 全てひらがなにしてみる
  2. 濁点を付けたり外したりしてみる(古文の時代に濁点というものはそもそも存在していない)

☆隠し題の例文はこちらの(1)を参照→和歌の修辞法例文一覧

☆解説授業はこちら→隠し題の3つのパターン(①物名、②折句、③沓冠、「唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ」「夜も涼し寝覚めの仮庵手枕も真袖も秋に隔てなき風」)

(7)本歌取り

→誰かの和歌の一部または全部を利用して、和歌を作る技法。
※そのまま用いる場合やちょっと変えて用いる場合がある。
※今で言うところのカバーアレンジ。本文や注などで明示されていなければ、元の和歌の知識が必要になる。


【和歌の解説授業一覧】

掛詞の3つのパターンを解説します!(「大江山いくのの道の遠ければまだふみも見ず天橋立」の解釈もします)

序詞の3つのパターン(「あしひきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む」「みかの原わきて流るるいづみ川いつみきとてか恋しかるらむ」「立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとしきかば今帰り来む」)

隠し題の3つのパターン(①物名、②折句、③沓冠、「唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ」「夜も涼し寝覚めの仮庵手枕も真袖も秋に隔てなき風」)

和歌の句切れを文法的に見つけよう! ポイントは文末表現を探すことです!

和歌の解釈の3つのポイント(「難波江の葦のかりねのひとよゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき」の解釈)


~参考~

和歌(古文)の解説・テスト一覧

古文文法の解説動画・授業動画一覧(基礎知識、用言、係り結びの法則、助動詞、助詞、識別、敬語、和歌、主体の判別)

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