抵抗の直列つなぎと並列つなぎ

(1)例題

図(a)および図(b)のように、抵抗値がそれぞれ10Ω, 20Ω, 40Ωの抵抗R1, R2, R3をつなぎ、PQ間に10Vの電圧をかけた。

①図(a)の場合にR1を流れる電流をIa、図(b)の場合にR1を流れる電流Ibはそれぞれいくらか。

②図(a)と図(b)のそれぞれの場合において、消費電力が最も大きい抵抗はどれか答えよ。

(2015年センター試験本試物理基礎第2問B)

(2)答案

①図(a)の場合、直列に接続されたR1, R2, R3全体に10Vの電圧がかかるから、オームの法則より
Ia=10/(10+20+40)=0.142≒0.14〔A〕

図(b)の場合、R1に10Vの電圧がかかるから、オームの法則より
Ib=10/10=1.0〔A〕

②図(a)の場合、R1, R2, R3は直列に接続されているから、これらに流れる電流は等しい。よって、P=RI2より、電流がIが等しいとき、消費電力Pは抵抗値Rに比例するので、抵抗値が最も大きい抵抗R3での消費電力が最も大きい。

図(b)の場合、R1, R2, R3は並列に接続されているから、これらにかかる電圧は等しい。よって、P=V2/Rより、電圧Vが等しいとき、消費電力Pは抵抗値Rに反比例するので、抵抗値が最も小さい抵抗R1での消費電力が最も大きい。

(3)解法のポイント

直列の場合、電流が等しくなり、並列の場合、電圧が等しくなります。

(4)必要な知識

①オームの法則

②ジュール熱・電力・電力量

(5)理解すべきこと

電流の表し方は3通りあります(電流の定義、自由電子の動きと電流、オームの法則、抵抗とは何か、抵抗率についても解説しています)