(1)例題
3次方程式−2x3+x2−a=0 が異なる3つの実数解を持つときのaの条件を求めよ。
(2012年センター試験本試数学ⅡB第2問(2)改)
(2)例題の答案
−2x3+x2=a を考える。
f(x)=−2x3+x2とすると
f'(x)=−6x2+2x=−2x(3x−1)
なので、f(x)の増減表は以下となる。
x | …… | 0 | …… | 1/3 | …… |
f'(x) | − | 0 | + | 0 | - |
f(x) | ↘ | 0 | ↗ | 1/27 | ↘ |
よって、関数f(x)はx=0で極小値0、x=1/3で極大値1/27 をとる。
3次方程式−2x3+x2=a の実数解の個数は、y=f(x)のグラフと直線y=aの共有点の個数に等しいので、y=f(x)のグラフと直線y=aの共有点が3個となるときのaの条件を求めればよい。
よって、求めるaの条件は
0<a<1/27
(3)解法のポイント
3次方程式の実数解の個数を求める問題は、3パターンあります。
①aなどの文字が入っていないパターン
②aなどの文字が定数項に入っているパターン
③aなどの文字がxの係数に入っているパターン
①のときは、
f(x)=(左辺)として、y=f(x)のグラフをかきます。
そして、y=f(x)とx軸の交点の個数を考えます。
※y=f(x)とx軸の交点の個数 ⇔ f(x)=0の解の個数
②のときは、
aなどの文字を右辺に、それ以外を左辺にして(定数分離といいます)、f(x)=(左辺)として、y=f(x)のグラフをかきます。そして、y=f(x)とy=aの交点を考えます。※y=f(x)とy=aの交点の個数 ⇔ f(x)=aの解の個数
③のときは、
定数分離ができないので、①と同様に、
f(x)=(左辺)として、y=f(x)のグラフをかきます。そして、y=f(x)とx軸の交点の個数を考えます。
このとき、極値に文字が入るので、極大値とx軸の位置関係、あるいは、極小値とx軸の位置関係を考え、y=f(x)とx軸の交点の個数を考えます。