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2曲線の交点を通る曲線の方程式kf(x, y)+g(x, y)=0の使い方と原理(なぜkf(x, y)+g(x, y)=0が2曲線の交点を通る曲線の方程式となるのか)

(1)解説授業動画

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(2)解説授業の原稿

2つの曲線の交点を通る曲線の方程式

xとyの方程式で表される、2つの曲線をf(x, y)、g(x, y)とすると、その2つの曲線の交点を通る曲線の方程式は

kf(x, y)+g(x, y)=0

と表すことができます。

例題を解きながら、これをどのように使うのか、あるいはなぜこれで2曲線の交点を通る曲線の方程式を表すことができるのかを確認してみます。

例題①:2つの円の交点と特定の1点を通る曲線

例えば、x2+y2=9……(ア)と円と、x2+y2-4x+4y-1=0……(イ)と表される円の交点と(1, 2)を通る図形の方程式を求めてみます。

連立させて交点の座標を求める方法

2つの曲線の交点は連立させることで求めることができるので、この2つの方程式を連立させて交点を求めて、その交点と(1, 2)を通る図形の方程式を求める、というやり方でこの問題を解くこともできます。

しかし、(ア)と(イ)を連立させてxとyを求めようとすると、まずは(ア)と(イ)を使ってx2とy2を消去して、その後x=~とし、それを(ア)の式に代入して、yの2次方程式になるのでyを求め、その後xを求め、交点の座標を求める、といった手順となり、できなくはないのですがとても面倒です。

kf(x, y)+g(x, y)=0を使う方法

そこで、このkf(x, y)+g(x, y)=0を使って解いてみましょう。

f(x, y)、g(x, y)を通る曲線の方程式はこのように表すことができるので、今回の2直線である(ア)と(イ)の交点を通る図形の方程式は定数kを用いて次のように表すことが出来ます。

k(x2+y2-9)+x2+y2-4x+4y-1=0……(ウ)

そしてこれが(1, 2)も通るので、xに1、yに2を代入して計算すると、

k(1+4-9)+1+4-4+8-1=0
∴ k=2

kの値を求めることができます。

つまりk=2のとき、(ウ)の式で表される曲線は(1, 2)を通るということなので、(ウ)の式にk=2を代入して整理することで、(ア)と(イ)の交点を通り、かつ(1, 2)を通る曲線の方程式を求めることができます。

2(x2+y2-9)+x2+y2-4x+4y-1=0
整理すると

x2+y2-4/3x+4/3y-19/3=0

ちなみに、この式は円を表しています。特に問題で中心の座標と半径を問われていない場合は、このように一般形で答えても構いません。ただし、円の方程式を一般形で答えるときはx2とy2の係数が1になるように両辺を割り算するようにしてください。

なぜkf(x, y)+g(x, y)=0なのか

このようにkf(x, y)+g(x, y)=0を使えば、2曲線の交点を通る図形の方程式を、交点の座標を出さずに求めることができます。

ではなぜこのようにすることで2つの曲線の交点を通る曲線の方程式を求めることができるのでしょうか。

今回は円と円の交点を通る曲線の方程式を求めたわけですが、この曲線はある場合を除いて円になります。しかし、その円はkの値によって中心の座標や半径が変わります。

つまり、(ウ)はkの値によって形の変わる図形の方程式となるのですが、たとえどのような形になったとしても、必ず(ア)と(イ)の2曲線の交点を通ります。

すなわち、kにどのような値を入れても成り立つ式であると考えれば、この式はkについての恒等式とみなすことができます。

そしてこの式がkについての恒等式であるとみなすことができれば、=0を成り立たせるためにはkの係数が0となり、かつkの係数ではない部分も0とならないといけません。すなわち、x2+y2=9かつx2+y2-4x+4y-1=0が成り立っているといえます。

そして、この連立方程式は(ア)の式と(イ)の式を連立させているのと同じことであり、この連立方程式を解いたときに出てくるxとyは、(ア)と(イ)の交点のx座標とy座標となります。

以上をまとめると、kf(x, y)+g(x, y)=0をkについての恒等式とみなせば、このkについての恒等式を成り立たせるxとyの値はf(x, y)=0とg(x, y)=0の連立方程式の解となるxとyであり、それはつまり、曲線f(x, y)=0と曲線g(x, y)=0の交点のx座標とy座標を表しているので、kf(x, y)+g(x, y)=0の式が表す曲線はkがどのような値でも曲線f(x, y)=0と曲線g(x, y)=0の交点を通るということになります。

このように、この式を理解するポイントは、「kがどのような値でも成り立っている」ということを、「kについての恒等式」とみなせると考えることです。

例題②:2つの円の交点を通る直線

先ほど、「k(x2+y2-9)+x2+y2-4x+4y-1=0は、ある場合を除いて円となる」と言いましたが、そのある場合に関する問題を解いてみましょう。

(問題)

x2+y2=9……(ア)と、x2+y2-4x+4y-1=0……(イ)の交点を通る直線の方程式を求めよ。

(答案)

(ア)と(イ)の交点を通る図形の方程式は定数kを用いて
k(x2+y2-9)+x2+y2-4x+4y-1=0……(ウ)
と表すことができる。
k=-1のとき(ウ)は
-(x2+y2-9)+x2+y2-4x+4y-1=0
⇔ x-y-2=0
となる。これは直線を表すので、求める直線の方程式である。

(解説)

x2+y2=9と、x2+y2-4x+4y-1=0といった2つの円の交点を通る直線の方程式を求めてみます。

直線といっても、この2つの曲線の交点を通る図形なのでkf(x, y)+g(x, y)=0の式で表すことができます。

そして、この式が直線となるためには、x2とy2の項がなくなっていないといけません。そこでkに-1を代入してみます。するとx2とy2がなくなった形となり、これは直線を表すのでこの問題で問われている直線の方程式となります。

このように(ウ)さえ満たしていれば、この2つの曲線の交点は必ず通るのでkに好きな値を入れて、目的とする図形を表す方程式を作ることができます。

(3)解説授業の内容を復習しよう

2曲線の交点を通る図形問題演習

(4)図形と方程式(円)(数学Ⅱ)の解説一覧

図形と方程式(円)(数学Ⅱ)公式一覧

2つの円の位置関係は図をかいて確認する

2曲線の交点を通る曲線の方程式kf(x, y)+g(x, y)=0の使い方と原理(なぜkf(x, y)+g(x, y)=0が2曲線の交点を通る曲線の方程式となるのか)

(5)参考

図形と方程式(円)(数学Ⅱ)の解説・授業・公式・演習問題一覧

数学Ⅱの解説動画・授業動画一覧

数学Ⅱ公式一覧

数学Ⅱの解説・授業・公式・演習問題一覧

数学の解説動画・授業動画一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)

数学公式一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)

数学の解説・授業・公式・演習問題一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)

数学典型パターン一覧(Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ)

数学の語呂合わせ

数学学習に必要な参考書・問題集

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