「ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる」の解説

①枕詞・序詞・掛詞

・なし

②助動詞と助詞の文法的説明

・「つる」は完了の助動詞の連体形

・「ば」は順接確定条件(偶然条件)の接続助詞

・「ぞ」は係助詞(連体形結び)

・「る」は存続の助動詞の連体形(係り結び)

③句切れ

・句切れなし

④現代語訳

ほととぎすが鳴いたと思って、その方角を眺めてみると、その姿はもう見えず空にはただ有明の月が残っているばかりであった。

⑤その他解説

・「ほととぎす」:明け方近くに鳴く。夏の景物としてよく和歌に詠まれた。とくに初音は夏を知らせるものとされた。