音の干渉

(1)例題

図のように、発振器につながれた二つのスピーカーAおよびBを、十分離して向かい合わせに置き、振動数f0の音を発生させた。音速をVとし、風は吹いていないものとする。

スピーカーA, Bの間で、図の破線に沿って音の干渉を観測したところ、音が最も強めあう点が等間隔Lで存在した。Lを表せ。

(2016年センター試験本試物理第3問A問1)

(2)例題の答案

スピーカーA, Bの間では、音の干渉により定常波が生じている。音が大きく聞こえるのは、空気の疎密の変化が最大の位置であるから、定常波の節の位置である。スピーカーから出る音の波長をλとすると、定常波の隣りあう節と節の間隔はλ/2であるから、
L=λ/2

波の式より
v=f0λ

よって
L=V/2f0

(3)解法のポイント

向かい合わせで波長・周期・振幅・速さが同じ波を発生させると、定常波を生じます。そして、定常波の節と節、あるいは腹と腹の間隔は半波長となります。

ただし、音波は縦波であるので、音が最も大きく聞こえるのは、定常波の節の位置となります(腹の部分ではないので注意)
理由としては、答案にもある通り、空気の疎密の変化が最大の位置が、最も大きな音が聞こえる位置だからです。

(4)必要な知識

①波の基本式

②定常波

ⅰ)腹の振幅:もとの波の振幅の2倍

ⅱ)腹と腹、節と節の間隔:もとの波の波長の½

ⅲ)腹と節の間隔:もとの波の波長の¼

ⅳ)周期、振動数:もとの波と同じ

(5)理解すべきこと

定常波についてのまとめ(定常波とは何か、固定端反射と自由端反射、弦で発生する定常波、気柱で発生する定常波、固有振動とは、音(縦波)の大きさ(密度の変化)が最大になるときについても解説しています)

波の正体は媒質の単振動である(y-xグラフとy-tグラフ、縦波についても解説しています)