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(2)解説授業の原稿
今回は理由を表す接続詞のbecause, since, forの使い方について解説します。
それぞれの使い方を例文を使って解説したいのですが、その前にまず知っておいて欲しいことがあるので、そちらを先に確認します。
since / forの理由の意味
becauseは理由を表すときに最もよく使われる接続詞なのでbecauseの意味は知っていると思いますが、sinceとforに理由を表す接続詞としての使い方があるということは知っていたでしょうか。
sinceは「~以来」という意味で使うということは多くの人が知っていると思いますが、sinceには「~なので」と訳す理由の意味もあるのです。
また、forは「~のために」などと訳す前置詞として使うことが多いのですが、接続詞としても使うことができます。forを接続詞として使った場合は、「……というのは~だからだ」と訳します。
ちなみに、前置詞と接続詞の違いですが、前置詞は後ろに名詞が来ます。それに対して、接続詞は後ろに文(SV)が来ます。この違いは必ず知っておきましょう。
等位接続詞と従位接続詞
また、文と文をつなぐ接続詞には2つの種類があります。
1つ目は等位接続詞で、and, or, but, for, norの5つが等位接続詞です。
そしてもう一つは、従位接続詞(従属接続詞)です。従位接続詞は、等位接続詞の5つ以外の接続詞です。例えば、because, since, when, ifなどが従位接続詞となります。
等位接続詞は、「等位」とあるように、つなぐ2つの文が同等の関係になっています。
それに対して、従位接続詞は、つなぐ2つの文を主節と従属節に分けます。つまり、つながれる2つの文は対等な関係ではなく、主従関係があるということになります。
例えば、
S V because S’ V’.
Because S’ V’, S V.
であれば、従位接続詞(because)から後ろの部分(because S’ V’やBecause S’ V’)が従属節となり、従位接続詞(because)がついていない文(S V)が主節となります。
つまり、従位接続詞によって、メインの文(主節)と、それに意味を添えるサブの文(従属節)といった関係ができるのです。
それでは、この基本知識を踏まえて、because, since, forの使い方の違いを確認します。
because / since / forの使い方の違いを例文で確認
それでは、例文を使ってbecause, since, forの使い方の違いを説明します。
以下の例文が表している意味は、「電車が遅れたので、私は遅刻した。」ということなのですが、接続詞を変えることによって、あるいは、接続詞の位置を変えることによって、どのような違いが生じるのか確認していきます。
接続詞を文頭に持ってきた場合
まずは、接続詞を文頭に持ってきた場合を考えてみます。
△ Because the train was delayed, I was late.
〇 Since the train was delayed, I was late.
× For the train was delayed, I was late.
それぞれの使い方として、becauseの場合は△で、sinceの場合は〇で、forの場合は×となります。
becauseとsinceはともに従位接続詞なのに、なぜ△と〇になるのかというと、「becauseの後ろには新情報がきて、sinceの後ろには旧情報がくる」という性質があるからです。
「新情報」とは相手が知らない情報のことです。それに対して「旧情報」は、相手がすでに知っていることという意味です。
つまり、「電車が遅れた」という情報を相手が知らない場合はbecauseを使い、相手が知っている場合はsinceを使います。
そして、なぜ文頭のbecauseが△で、文頭のsinceが〇なのかというと、英語には「新情報はなるべく後ろに持っていく」というルールがあるからです。
つまり、becauseの後ろは新情報なので、文頭に持っていくことはあまり望ましくなく、逆に、sinceの後ろは旧情報なので、文頭に持ってきても問題はありません。むしろ旧情報はなるべく前にもっていかないといけないので、理由のsinceは文頭が望ましいです。
ちなみに、文頭のbecauseが×ではなく△なのは、becauseの節はなるべく後ろに持っていくべきなのですが、becauseは文頭で使われることもよくあるので△としました。自分で英作文などをするときは、becauseの節を文頭に書くのは避けるようにしましょう。
次に、forの節を文頭に持ってきた場合ですが、これは文法的に間違いです。
なぜなら、For the train was delayed, I was late.と書くと、forの節が従属節となり、コンマの後ろが主節となってしまいますが、等位接続詞は2つの文を同等の関係でつながないといけないので、従位接続詞と同じような使い方で使うことはできません。
接続詞の節を文末に持ってきた場合
続いて、以下のように接続詞の節を文末に持ってきた場合を考えてみましょう。
〇 I was late because the train was delayed.
× I was late since the train was delayed.
× I was late for the train was delayed.
この場合、becauseは〇で、sinceは×で、forは×となります。
この理由は先ほど説明した通り、becauseの後ろは新情報なので、なるべく後ろに来ることが望ましく、sinceの後ろは旧情報なので、なるべく前にもっていかないといけないからです。
そして、forをこのような使い方をしてしまうと、主節と従属節ができてしまうので、等位接続詞のforも使えません。
ちなみに、理由のsinceの節が文末に来ることはまずありません。しかし、「~以来」という意味のsinceであれば、むしろ主節よりも後ろに来ることが多いです。したがって、文頭のsinceは理由の意味になることが多く、文末のsinceは「~以来」という意味になると考えることができます。
接続詞の節を文末にもってきて、接続詞の前にコンマを打った場合
次に、接続詞の節を文末にもってきて、接続詞の前にコンマを打ったらどうなるか考えてみましょう。
△ I was late, because the train was delayed.
× I was late, since the train was delayed.
〇 I was late, for the train was delayed.
このような場合、becauseは△で、sinceは×で、forは〇となります。
基本的に従位接続詞の前にはコンマを打ってはいけません。ただ、文が長くなって分かりにくい場合は、コンマを打って分かりやすくすることもあるので、×ではなく△としました。自分で英作文などをするときは、従位接続詞の前にコンマを打たないようにしましょう。
理由のsinceの節は文末に持ってこれないので×となります。
そして、コンマで文を区切れば、それぞれ文が分かれるので、主節と従属節といった主従関係を作っているとはみなされなくなり、等位接続詞を使うことができます。
接続詞の節を文末にもってきて、接続詞の前にピリオドを打った
そして最後に、接続詞の前にピリオドを打ってみた場合どうなるか考えてみましょう。
× I was late. Because the train was delayed.
× I was late. Since the train was delayed.
〇 I was late. For the train was delayed.
このような場合、becauseやsinceといった従位接続詞は×となります。それに対して、forなどの等位接続詞はこのような使い方もできます。
なぜ従位接続詞はこのような使い方ができないのかというと、英語は主節がない文を書いてはいけないからです。
I was late. Because the train was delayed.のように、I was late.でピリオドを打ってしまうと、Because the train was delayed.は従属節だけになってしまい、主節がなくなるので間違いということになります。
それに対して等位接続詞は、そもそも主節や従属節を作らないので、For the train was delayed.のように、等位接続詞を文頭に書いて1文だけ書くということができます。
「~だからです。」を英作文するときの注意点
このパターンに関して1つだけ補足しておくと、「~だからです。」といったように理由だけの文を書くときに、
× Because the train was delayed.
このようにbecauseだけの文を書いてはいけません。この理由は、先ほども解説した通り、従属節だけの文を書いてはいけないからです。これは英作文でもよくある間違いなので、注意しましょう。
では、どのように書けばいいのかというと、
It is because the train was delayed.
The reason is that(because) the train was delayed.
このように、「It is because S V.」のように書くか、「The reason is that S V.」のように書くと良いでしょう。このようにすれば、主節ができるので、正しい文となります。
ちなみに、接続詞のthatは従位接続詞です。The reason is that(because) the train was delayed.では、thatを使うのが正式な文法ですが、becauseを使うこともあるようです。
ただし、「Why~?」の問いかけの答えとしてなら、becauseの前の主節が省略されたとみなされるので、Because S V.といったbecauseだけの文も使うことができます。
いかがだったでしょうか。becauseとsinceとforの使い方の違いや、等位接続詞と従位接続詞の使い方の違いを理解できたでしょうか。これらの使い方は特に、英作文をするときなどに注意が必要です。
(3)解説授業の内容を復習しよう
①等位接続詞(and, or, but, nor, for)テスト
(4)接続詞(英文法)の解説一覧
②覚えておきたい接続副詞一覧
※接続副詞は、接続詞ではなく副詞なので注意。
③理由を表す接続詞because, since, forの使い方の違い(等位接続詞と従位(従属)接続詞の違いについても解説しています)
☆その他の英文法の解説はこちら→英文法の解説動画・授業動画一覧
(5)参考
☆覚えるべきイディオム一覧(助動詞、受動態、不定詞、分詞、動名詞、関係詞、比較、否定、群前置詞、動詞、名詞、形容詞、副詞)
☆ここに受験英文法が全てまとめてあります→英文法のすべて(解説・授業・確認テスト一覧)