弦に生じる定常波

(1)例題

①両端を固定した弦の振動を考える。基本振動の周期はTであり、下図には時刻t=0, t=T/8, t=T/4における、基本振動、2倍振動、およびそれらの合成波の様子を示している。これらを参考に、時刻t=5T/8でのそれぞれの波形をかけ。

(2018年センター試験本試物理第3問問3より)

②基本振動数が360Hzとなるように、長さ0.450mの弦が弦楽器に張られている。弦を伝わる波の速さを求めよ。また、腹が二つの定常波ができるようにするための振動数を答えよ。

(2017年センター試験本試物理基礎第2問A問1)

(2)例題の答案

②基本振動をするとき、弦に生じた定常波の波長をλとすると
λ/2=0.450
∴ λ=0.900〔m〕
基本振動数が360〔HZ〕であるから、弦を伝わる波の速さv〔m/s〕は、波の基本式より
v=360×0.900=324〔m/s〕

腹が二つの定常波とは2倍振動であるので、求める振動数をfとすると
f=360×2=720〔Hz〕

※腹が二つということは、波長は1/2となる。

(3)解法のポイント

弦に生じる振動は定常波となります。

また、n倍振動とは、振動数が基本振動よりn倍である、ということも知っておきましょう。

そして、弦を伝わる波は、弦の張力と線密度(単位長さあたりの質量)に依存するということも重要です。

(4)必要な知識

①弦を伝わる波

(5)理解すべきこと

定常波についてのまとめ(定常波とは何か、固定端反射と自由端反射、弦で発生する定常波、気柱で発生する定常波、固有振動とは、音(縦波)の大きさ(密度の変化)が最大になるときについても解説しています)

波の正体は媒質の単振動である(y-xグラフとy-tグラフ、縦波についても解説しています)