定常波

(1)例題

①x軸の正の向きに図の実線ように正弦波(入射波)が進行している。この波は、x=1.0mの位置で反射して逆向きに進み、入射波と反射波の合成波は定常波となる。図はある時刻における入射波の波形を実践で、反射波の波形を破線で表している。
-0.2m≦x≦0.2mにおける定常波の節の位置と腹の位置を全て答えよ。また、入射波はx=1.0mの位置で、固定端反射と自由端反射のどちらをしているか答えよ。

(2018年センター試験本試物理第3問A問2より)

②下図のような、正弦波の定常波を考える。振動の周期は0.40s、腹の位置における振幅は15cmである。位置Oにおいて、ある時刻の変位が-15cmのとき、その0.30s後の変位は何cmか。

(2017年センター試験本試物理基礎第1問問4)

(2)例題の答案

①入射波と反射波を合成すると下図のようになる。

-0.2m≦x≦0.2mにおいて、合成波の変位が0の位置が定常波の節になるから、節の位置は
x=-0.1〔m〕, 0.1〔m〕

また、合成波の変位が最大となる位置が定常波の腹となるから、腹の位置は
x=-0.2〔m〕, 0〔m〕, 0.2〔m〕

定常波の隣り合う腹と腹の間隔は0.2m(入射波の波長の½)であるから、x=1.0〔m〕の位置は腹である。よって、反射する位置で、入射波と反射波の合成波が腹になるためには、反射波が入射波と同位相でなければならないので、入射波は自由端反射をしている。

②図の時刻において、原点Oの変位が-15cmであることから、原点Oが腹であることがわかる。振動の周期をT=0.40〔s〕とすると、この時刻の後、原点Oの媒質は上向きに運動し、T/4=0.10〔s〕後に変位0.0cmの点を上向きに通過し、T/2=0.20〔s〕後に最大変位15cmとなり、そして、3T/4=0.30〔s〕後には、再び変位0.0cmの点を下向きに通過する。

(3)解法のポイント

①定常波の基本を問う問題です。

x=1.0mまで定常波をかいてしまってもよいですが、腹と腹、あるいは節と節の間隔(もとの波の波長の½)から考えることができるようになりましょう。

②定常波の変位は、

0→正に最大→0→負に最大(最小)→0→正に最大→0→……

をT/4ごとに繰り返していることは知っておきましょう。

(4)必要な知識

①定常波

ⅰ)腹の振幅:もとの波の振幅の2倍

ⅱ)腹と腹、節と節の間隔:もとの波の波長の½

ⅲ)腹と節の間隔:もとの波の波長の¼

ⅳ)周期、振動数:もとの波と同じ

②固定端反射

→山(谷)が入射したら、谷(山)が反射

③自由端反射

→山(谷)が入射したら、山(谷)が反射

(5)理解すべきこと

定常波についてのまとめ(定常波とは何か、固定端反射と自由端反射、弦で発生する定常波、気柱で発生する定常波、固有振動とは、音(縦波)の大きさ(密度の変化)が最大になるときについても解説しています)

波の正体は媒質の単振動である(y-xグラフとy-tグラフ、縦波についても解説しています)