和歌の句切れテスト(問題と答え)【古文文法のすべて】

☆問題のみはこちら→和歌の句切れテスト(問題)

☆その他の修辞法のテストはこちら→和歌の修辞法(掛詞・序詞・縁語・隠し題)テスト

☆解説授業はこちら→和歌の句切れを文法的に見つけよう! ポイントは文末表現を探すことです!


以下の和歌の句切れを答えよ。

①春過ぎて 夏来にけらし / 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
※「けらし」=「けるらし」

→二句切れ
※「らし」は推定の助動詞「らし」の終止形。「白妙(「白色」という意味)」は体言であるが、「らし」は連体形にはならない。なぜなら、「らし」が連体形なら「夏が来たらしい白色」となり、おかしな意味になるから。

②わが庵は 都のたつみ しかぞ住む / 世をうぢ山と 人はいふなり

→三句切れ
※「ぞ(係助詞)~住む(連体形)」で係り結びとなっている。

③花の色は 移りにけりな / いたづらに わが身世にふる ながめせしまに

→二句切れ
※「な」は詠嘆の終助詞(「~なあ」と訳す)。

④わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人にはつげよ / あまの釣舟

→四句切れ
※「つげよ」が下二段動詞「つぐ」の命令形。

⑤立別れ いなばの山の 嶺におふる まつとし聞かば 今帰り来む

→句切れなし
※「おふる」は上二段動詞「おふ」の連体形なので、「まつ」(体言)とつながっており文末にはならない。

⑥ちはやふる 神代も聞かず / 龍田川 から紅に 水くくるとは

→二句切れ
※「ず」は打消の助動詞の終止形。ちなみに、「ず」の連体形は「ぬ」または「ざる」。

⑦契りきな / かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 浪こさじとは

→初句切れ
※「な」は詠嘆の終助詞。

⑧もろともに あはれと思へ / 山ざくら / 花よりほかに 知る人もなし

→二・三句切れ
※「思へ」は四段動詞「思ふ」の命令形、「山ざくら」は「山桜よ」と呼びかけている。

⑨玉の緒よ / 絶えなば絶えね / ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする

→初・二句切れ
※「よ」は呼びかけの間投助詞、「ね」は強意の助動詞「ぬ」の命令形。完了・強意の助動詞「つ」「ぬ」は命令形のときは強意で訳すことが多い。ちなみに、強意の命令形の訳し方は「~してしまえ」。

⑩見せばやな / 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし / 色はかはらず

→初・四句切れ
※「ばや」は願望の終助詞で「な」は詠嘆の終助詞、「ぞ(係助詞)~し(過去の助動詞「き」の連体形)」は係り結び。


☆問題のみはこちら→和歌の句切れテスト(問題)

☆その他の修辞法のテストはこちら→和歌の修辞法(掛詞・序詞・縁語・隠し題)テスト

☆解説授業はこちら→和歌の句切れを文法的に見つけよう! ポイントは文末表現を探すことです!


【和歌の解説授業一覧】

掛詞の3つのパターンを解説します!(「大江山いくのの道の遠ければまだふみも見ず天橋立」の解釈もします)

序詞の3つのパターン(「あしひきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む」「みかの原わきて流るるいづみ川いつみきとてか恋しかるらむ」「立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとしきかば今帰り来む」)

隠し題の3つのパターン(①物名、②折句、③沓冠、「唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ」「夜も涼し寝覚めの仮庵手枕も真袖も秋に隔てなき風」)

和歌の句切れを文法的に見つけよう! ポイントは文末表現を探すことです!

和歌の解釈の3つのポイント(「難波江の葦のかりねのひとよゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき」の解釈)


~参考~

和歌の修辞法一覧(句切れ・枕詞・序詞・掛詞・縁語・隠し題・本歌取り)

和歌(古文)の解説・テスト一覧

古文文法の解説動画・授業動画一覧(基礎知識、用言、係り結びの法則、助動詞、助詞、識別、敬語、和歌、主体の判別)

古文文法のすべて(基礎知識、用言、係り結びの法則、助動詞、助詞、識別、敬語、和歌、主体の判別)

☆テーマ別に古文単語をまとめています→古文単語

古文学習に必要な参考書・問題集